
鉄道省の蒸気機関車,8620形の1両として大正時代の1922年に製造され,2度にわたる復活を経て,まもなく101歳の誕生日を迎える58654号機は,現在は熊本—鳥栖間の往復で快速“人吉”のけん引にあたっています.しかしながら,先日,こうした活躍が2023年度をもって終了する旨の発表があり,同機の今後が案じられるようになりました.そこで,この58654号機の足跡を,1988年に1度目の復活を果たしてから現在に至るまでの35年間に焦点を絞って,一挙に振り返ります.末尾に付した年表「58654号機 動態保存履歴」も,良き資料になりましょう.また,58654号機が見せたさまざまな表情を,筆者の宇都宮靖顕さん,そして,九州鉄道記念館副館長の宇都宮照信さんなどによる写真でご覧いただくことができます.ご期待ください.