写真:JR東日本E657系 編集部撮影 勝田車両センターにて 2011-6-13(取材協力:JR東日本)
JR東日本仙台支社・水戸支社は,2020(令和2)年3月14日(土)から,常磐線の富岡—浪江間の運転を再開すると発表した.
同区間は,2011(平成23)年の東日本大震災の影響により運転を見合わせていたが,同区間に設定された帰還困難区域の一部において,避難指示が解除される期日が決定したことから,9年ぶりに全線での運転が再開される.
全線運転再開にあわせて,仙台—上野・品川間直通運転する特急“ひたち”は,上下3往復(合計6本)が設定される.いわき—品川間で導入済みの着席サービスについては,仙台—いわき間にも導入される.
このサービスは,従来の指定席・自由席の区分をなくし,普通車の全座席で座席指定を受けることができ,直前まで乗車列車が決まらない場合は,「座席未指定券」を購入すると,乗車前に座席指定を受けなくても,車内の空席を利用することが可能.特急料金については,季節による変動(通常期・繁忙期・閑散期)がなく,年間を通じて同一の料金となる(グリーン車は適用外).
利用する場合は,従来と同様,列車・座席を指定する「指定席特急券」と,乗車日・乗車区間のみを指定し,列車・座席を指定しない「座席未指定券」のいずれかを選択できる(どちらも料金は同額).なお,特急券を車内で購入する場合は,駅で事前に購入する特急料金(事前料金)に260円(こども130円)を追加した車内料金となる.さらに,スマートフォンや携帯電話から座席の指定を行ない,駅での特急券の受け取りが不要な「えきねっとチケットレスサービス」での利用も可能となる.
普通列車については,原ノ町でいわき方面および岩沼方面へ,それぞれ折返し運転を実施する.この輸送体系の見直しにともない,いわき方面から原ノ町まではE531系,原ノ町—仙台間はE721系・701系での運用となる.
さらに,運転再開区間の広野・富岡・大野・双葉・浪江の各駅に,「話せる指定席券売機」をJR東日本管内で初めて導入する.これは,通常の指定席券売機として利用客自身の操作のほか,受話器や液晶モニタ,証明書などを確認するカメラ機能により,オペレーターとの会話を通してみどりの窓口のようにきっぷを購入することができる.また,これまで指定席券売機での取扱いができなかった証明書などが必要なきっぷの購入や,新年度の通学定期券の購入なども可能となる.
おトクなきっぷなどについては,「お先にトクだ値スペシャル(乗車券つき)」(50%割引),「お先にトクだ値(乗車券つき)」(30%割引)を期間限定で発売する.「えきねっとトクだ値(乗車券つき)」(10%割引)については,常磐線全線運転再開にともない,新たな区間を設定する.なお,相馬,原ノ町の各駅が発着となる「東京フリー乗車券」と「いわき仙台フリー乗車券」については,発売を終了する.
このほか,「Suicaエリア」についても,常磐線の首都圏エリアと仙台エリアの合計15駅で利用可能となり,首都圏エリアと仙台エリアの「大都市近郊区間」が拡大される(鉄道ニュース2019年10月31日掲載記事参照).
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