JR東日本では,新しい新幹線用トンネル覆工表面撮影車を導入すると発表した.
JR東日本のトンネル検査では,トンネル覆工表面のひび割れなどの変状情報を図示し,活用している.変状情報を効率的に把握するため,センサによりトンネル覆工表面の状態を画像として記録できる専用車両(通称:TuLIS)を線路上に走行させ,ひび割れなどのデータを取得している.
今回導入する新形車両には,トンネル覆工表面の2次元の画像データと3次元の形状データを1mm間隔で同時に取得可能なセンサを搭載.スリット状のレーザ光をトンネル覆工表面に照射し,反射光をカメラで撮影することで,トンネル覆工表面の画像および凹凸情報を高精度に取得する.また,計測装置の変更にともなう処理速度の向上で,従来の約2倍となる計測速度20km/hで高精度なデータが取得でき,計測作業の効率化を図る.
このほか,従来は人が撮影画像からトンネル覆工表面のひび割れなどの変状情報を判読し,図化していたものを,ひび割れの把握の効率化と今後の自動化を目的に,新形車両で得られるトンネル覆工表面の凹凸情報を用いたひび割れ抽出の補助機能を追加導入する.
今後は,2020(令和2)年2月上旬以降に新幹線トンネルを対象として順次計測を開始し,新たに取得するトンネル覆工表面の形状データを活用して,より効率的で高度化したトンネル検査の実現を目指すとしている.
写真はすべてJR東日本のニュースリリースから