写真:JR北海道721系5100番代 加藤 勝撮影 苗穂—白石間にて 2020-9-22
JR北海道は,投資額396億円とする,2026(令和8)年度の事業計画を発表した.
鉄道事業では,インバウンド需要の取込みと輸送力増強を軸とした設備投資を進める.快速“エアポート”などで使用している721系やディーゼル機関車の老朽取替を進める.“エアポート”用電車については,新たにロングシートタイプを増備することに加え,今後の需要拡大を見込んだ列車増発など,千歳線の輸送力拡大にむけたさまざまな取組を検討する.
観光面では,2027(令和9)年2月に札幌—網走間で運行を開始する新たな観光列車「赤い星」や,同年6月運行開始予定の「青い星」に向け,乗務員やサービススタッフの訓練・養成,地域と連携したおもてなしの準備を本格化させる.なお,現行の「ノロッコ号」は車両の老朽化により,2026(令和8)年度が最終運行となる.
写真:JR北海道789系1000番代 編集部撮影 札幌運転所にて 2007-7-11(取材協力:JR北海道)
2026(令和8)年3月のダイヤ改正で,旭川・北見・網走・稚内方面の特急列車(“カムイ”・“ライラック”・“オホーツク”・“宗谷”,“サロベツ”)の全車指定席化により,道内の全特急列車が全車指定席となったことを受け,イールドマネジメントシステムを活用した戦略的な需要喚起と収入確保に注力する.
安全対策については,2024(令和6)年の函館本線 森—石倉間や2025(令和7)年の宗谷本線 天塩中川—問寒別間で発生した列車脱線事故を受け,再発防止策を徹底して進める.加えて,社長直轄の「安全監査室」による現場点検を強化し,ルールの遵守状況を確認することで,安全風土のさらなる醸成を図る方針.
写真:JR北海道733系1000番代 編集部撮影 函館駅構内にて 2015-12-21(取材協力:JR北海道)
労働力不足に対応し,持続可能な業務運営を実現するため,新技術によるオペレーションの変革を加速させる.2027(令和9)年度末の運用開始を目指し,電気設備の状態監視を行なう「電気検測機能を備えた総合検測車」の導入準備を進めるほか,車上撮影画像データを活用した線路総合巡視の導入検討を開始する.
利便性向上と効率化に向けては,2027(令和9)年度に予定している「モバイルSuica」による定期券発売や,Kitacaエリアの拡大に向けた検討を進める.駅設備においては,在来線札幌駅の改修にあわせて「話せる券売機(AMX-V10)」を増備する.また,将来的な省人化を見据え,“はこだてライナー”を対象としたワンマン運転導入の検討にも着手する.
写真:JR北海道H5系 編集部撮影 函館総合車両基地にて 2014-11-20(取材協力:JR北海道)
北海道新幹線については,札幌延伸の完成・開業が2038(令和20)年度末ごろになる見通しが公表されたことを受け,経営への影響把握と適切な対応を講じる.札幌駅部では,新幹線駅舎工事や幹在乗換こ線橋の新設,在来線駅のリニューアル工事を着実に進める.
高速化に向けた取組では,新函館北斗—札幌間の最高時速320km化に向けた工事を進めるほか,青函共用走行区間での特定時期における高速化実施区間の拡大に向け,関係機関との協議を継続する.JR東日本グループと連携し,新幹線の速達性を活かした荷物輸送「はこビュン」の定期輸送量拡大を図る.
「利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区」については,監督命令にもとづき,関係者との議論を重ねながら,2026(令和8)年度末までに事業の抜本的改善方策を確実にとりまとめる.開発事業においては,札幌駅周辺の再開発を進め,2030(令和12)年度の5-2街区竣工を目指して実施設計に着手するほか,エキナカ商業施設の2027(令和9)年度開業に向けた工事を進める.
詳しくは,JR北海道 2026年度事業計画に掲載されている.
※写真はすべてイメージです.















