
鉄道・運輸機構(JRTT)は,動画「羊蹄トンネル(有島)工区 ~岩塊に阻まれた掘進、突破の記録~」をJRTT公式YouTubeチャンネルで公開した.
羊蹄トンネル(有島)工区(延長4166m)は,地質年代の若い砂・シルト・火山灰を主体とする脆弱な未固結地山を掘削する計画となっている.この地域は地下水位が高いことから,山岳区間で一般的に用いられる「NATM」による掘削では,切羽の自立が困難であり,多量の地下水流出による周辺環境への影響も懸念されたためシールドマシンによる掘進を採用した.
一方で,岩塊遭遇リスクについても事前の地質調査の結果より直径約1mの岩塊の出現が想定されたため,相応の岩塊対策を施したうえで2021(令和3)年9月から掘進を開始した.しかし,2024(令和6)年4月から想定を超える巨大な岩塊が断続的に出現し,相次いで掘進を停止.約200mの区間で5回にわたり岩塊に遭遇しながらも,オールケーシング工法により慎重に岩塊を撤去しながら掘進を続け,2025(令和7)年7月,中間立坑に到達した.
なお動画は,企画から撮影・編集まですべて鉄道・運輸機構(JRTT)職員により制作されている.
画像提供:JRTT鉄道・運輸機構