JR西日本は,次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験の一環として,一部の営業列車でも走行試験を実施すると発表した.
JR西日本グループでは,2021(令和3)年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し,2050(令和32)年にグループ全体の二酸化炭素排出量「実質ゼロ」とすることをめざした取組を行なっている.この一環で,化石燃料である軽油を燃料として走行しているディーゼル車両のカーボンニュートラルを目指す取組として,次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験を2022(令和4)年度から実施している(鉄道ニュース2022年8月25日掲載記事/2023年7月17日掲載記事参照).
実証実験は,国土交通省が公募した「鉄道技術開発・普及促進制度 令和4年度新規技術開発課題」(鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発)として,(公財)鉄道総合技術研究所とJR7社での実証実験をJR西日本エリアを中心に実施している.
2022(令和4)年度はエンジン性能試験,2023(令和5)年度は夏期・通常期・冬期の3シーズンで走行試験を行ない,次世代バイオディーゼル燃料の性能が軽油と同等であることを確認した.
2024(令和6)年度の走行試験は,岩徳線と山陽本線の一部(櫛ケ浜—徳山間)の営業列車で次世代バイオディーゼル燃料を100%使用して走行し,長期的に使用した際の車両性能への影響を確認する.走行時期については,別途発表される.
今後は,JR西日本が保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ100%置き換えることを目標とし,2024(令和6)年度の試験結果を踏まえ,2025(令和7)年度以降の本導入を目指す.
写真:JR西日本ニュースリリースから