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JR西日本,次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた実証実験開始

JR西日本DEC700形

写真:JR西日本DEC700形  編集部撮影  下関総合車両所新山口支所にて  2021-8-11(取材協力:JR西日本)

JR西日本は,ディーゼル車両への次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験を開始すると発表した.

 JR西日本グループでは,2021(令和3)年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し,2050年にグループ全体の二酸化炭素排出量を「実質ゼロ」とすることを目指した取組を行なっている.この一環で,国土交通省が公募した「鉄道技術開発・普及促進制度 令和4年度新規技術開発課題」(鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発)として,鉄道総合技術研究所とJR7社から共同提案した計画が採択され,その実証実験をJR西日本エリアで実施することが決定した.
 次世代バイオディーゼル燃料は,軽油と成分がほぼ同等であるため,軽油からの100%置換が期待されている.軽油と次世代バイオディーゼル燃料は使用時の二酸化炭素排出量がほぼ同じであるが,次世代バイオディーゼル燃料では原料となる植物等の成長過程で光合成により吸収した二酸化炭素と燃焼時に排出する二酸化炭素が相殺されるため,二酸化炭素排出量が「実質ゼロ」とみなされる.

JR西日本,次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた実証実験開始

 この取組では,JR西日本が保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ100%置き換えることを目標とし,その実用性を検証する.なお,次世代バイオディーゼル燃料を常時100%使用する本格実装に向けた長期走行試験を行なうのは,JR西日本が鉄道事業者で初めてとなる.
 実験は,「エンジン性能確認試験」,「走行試験」,「長期走行試験」の3つを行なう.「エンジン性能確認試験」は,エンジン単体での試験で,軽油と次世代バイオディーゼル燃料の混合率5%から開始し,段階的に100%に引き上げ,軽油を使用した場合との差異を確認する.
 「走行試験」では,試運転列車に次世代バイオディーゼル燃料を100%使用し,1日1往復の試験走行を実施する.通常期・夏期・冬期の3シーズンをそれぞれ各1ヵ月程度実施し,気温の影響を確認する.
 「長期走行試験」では,複数の営業列車に次世代バイオディーゼル燃料を100%使用し,1両あたり1日200km程度走行する.燃料消費量の変化や品質レベル,営業列車に使用できる安全性・安定性が担保できるかを確認する.
 実験にはDEC700形,キハ40系などが使用され,2022(令和4)年度に「エンジン性能確認試験」,2023(令和5)年度に「走行試験」,2024(令和6)年度に「長期走行試験」を実施したあと,2025(令和7)年度に本導入を予定している.実施予定線区は,山陰本線など,おもにディーゼル車両が走行する路線を検討している.
 上記により想定される効果としては,現在,JR西日本で使用されているディーゼル車両から排出される二酸化炭素(2021年度実績は約55000t)が実質ゼロとなる.また,JR西日本以外も含めた鉄道車両または同様にディーゼルエンジンを使用する乗りもの・機械などへの次世代バイオディーゼル燃料の使用拡大により,社会全体で二酸化炭素のさらなる削減が図られる.あわせて,スケールメリットにより燃料調達コストの低下や,次世代バイオディーゼル燃料の普及と二酸化炭素削減が進んでいく好循環が生まれることが期待されている.
 詳しくは,JR西日本ニュースリリースに掲載されている

一部画像はJR西日本提供

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