名古屋鉄道は,2023(令和5)年度の設備投資計画を発表した.
鉄道事業では192億円を投資し,車両の快適性向上を目的として,通勤形車両9500系(4連3本),9100系(2連3本)を新造する.
安全対策推進と都市計画事業の一環として,名古屋本線 知立駅付近,瀬戸線 喜多山駅付近,三河線 若林駅付近,尾西線 苅安賀駅付近の高架化工事を引き続き実施する.大規模地震による被害を最小限に抑えるため,高架橋柱の耐震補強を実施する.PTC(列車運行管理システム)による信号制御対象エリアの拡大や,踏切道の保安度向上として,踏切障害物検知装置の更新や遠隔監視システム導入踏切を拡大に加えて,AI画像解析装置を導入する.
駅改良工事では,名古屋本線 金山駅の大規模リニューアル引き続き実施し,中央改札口に中部国際空港駅の到着予定時刻や特別車の空席情報などを表示する専用案内表示器の設置や,ウォークインタイプの改札を新たに設置する.また,同駅へのホームドア導入に向けた実証試験の準備を進める.
運転見合わせなどの列車運行情報などを駅の専用ディスプレイに表示する「エムビジョン」や,継続定期券発売・クレジット決済対応可能な新形券売機や,精算機能を追加した新形チャージ機を順次導入する.
開発事業では,名古屋本線の東岡崎駅前再開発計画や布袋駅における高架下開発,「μPLAT(ミュープラット)金山」のリニューアル,神宮前駅周辺へのデータセンター建設に85億円,沿線地域活性化や旅客サービス向上に30億円を投資するなど,総額307億円の設備投資を行なう.
このほか,安全・安心・安定輸送の確保に必要な設備更新に加え,社会環境の変化にあわせた投資が必要不可欠となることから,運賃改定の申請に向けて準備を進める.改定時期は2024(令和6)年春ごろを予定し,全体の改定率は平均10%程度(初乗り運賃は10円値上げ:170円→180円)を想定する.なお家計負担を考慮し,通学定期券は運賃を据え置く.
一部の写真・画像は名古屋鉄道のニュースリリースから