小田急電鉄は,ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社が提供する「カメラ映像とAIによる異常状態検知システム(スペースタイムシーンアナリティクス)」を用いて,2021(令和3)年2月1日(月)から6月(予定)まで,踏切内の安全性向上を目的とした実証実験(第2期)を実施すると発表した.
これは,2020(令和2)年2月から3月にかけて実施した小田原線の玉川学園前8号踏切での実証(第1期)に続くもので,実用化に向け取り組むもの.
実験は,小田原線の新宿1号踏切,南新宿3号踏切,代々木八幡1号踏切の3ヵ所の踏切で行ない,踏切監視カメラの映像を「スペースタイムシーンアナリティクス」を活用して解析し,既存の「踏切障害物検知装置」での検知が難しい人の動きを適正に検知することで,踏切内の安全性をより高めることを目的とする.踏切動作中に限定して実施した第1期では,AIによる誤解析などのエラーも見られた一方で,多くは期待どおりアラート動作をするなど,一定の成果が得られたとしている.
上記を踏まえ第2期では,AIの解析素材の取得と並行して,交通量や規模の異なる複数踏切の同時解析による集中管理や,踏切動作前における踏切内での人の転倒などの異常検知についても検証する.将来的には,AIによる解析結果を用いて,付近を走行する列車を自動で停止する仕組の構築を目指すとしている.
なお,ノキアの「スペースタイムシーンアナリティクス」を鉄道の踏切に活用する取組は,小田急電鉄が世界で初めてとなる.
特記以外の画像は,小田急電鉄提供