JR西日本は,2020(令和2)年度内に「N700S」を2編成導入すると発表した.
「N700S」は,ATCとブレーキシステムの改良により,地震時のブレーキ距離を「N700A」タイプから5%短縮し,大容量のデータ通信を採用したことで,これまで以上に詳細な機器データの取得・分析が可能となるなど,車両の状態監視機能を強化している.
また,バッテリ自走システムを搭載し,長時間停電時には乗客の避難場所まで自力走行ができるほか,乗客と乗務員が通話する装置を客室内に設置し,指令所の係員との通話も可能とするなど,異常時の即応体制を整備した.
グリーン車,先頭車およびパンタグラフ搭載車には,フルアクティブ制振制御装置を搭載し,全席にモバイル用コンセントを設置したことで快適性・利便性の向上を図っている.
このほか,2019(令和元)年の「令和元年東日本台風」(台風19号)の影響により被災した,北陸新幹線W7系についても,2021(令和3)年度に2編成を新製する.
基本仕様は現在走行しているW7系をベースとするが,台車の異常・予兆を検知する台車モニタリング装置を搭載することで安全・安定性を向上させる.また,床下に雪庇(せっぴ)ダミーの取付けや,車体ドア部分の形材形状を変更して段差を滑らかにするなど,車両への着雪防止対策を実施する.
写真はいずれもイメージです.