東京都交通局は,都電荒川線(愛称:東京さくらトラム)が2020(令和2)年度「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞したと発表した.
「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」は,「これから生まれるデザインの手本となりうる,時代を超えてスタンダードであり続ける商品・建築・コンテンツ・サービスなど」が表彰対象で,「単に『長く残っている』ことを讃えるのではなく,暮らしの中で人々に愛され,これからも変わらずに存在し続けてほしいデザインと,そのデザインを生み出した人々を顕彰すること」を目的としている.
約12kmの沿線上には,早稲田・面影橋・学習院・鬼子母神・飛鳥山など,文教地区や江戸情緒溢れる名所があり,都電の走る風景こそが街のデザインとなっている点や,レトロな車両や線路沿いにバラを植えるなど,景観が大切にされている点,さらに日々進化する東京にあって,都電の走る風景が普遍的であってほしいと願うと同時に,コンパクトで簡便な移動ツールが,東京に限らずこれからの時代にこそ必要とされる未来性からも応援したくなる点が評価され,受賞に至った.