山陽電気鉄道と山電情報センターでは,株式会社オプテージとともに,踏切横断における安全性強化を目的に,監視カメラによる遠隔監視とAI画像解析技術の活用による踏切遮断時の異常検知に向けた実フィールドでの実証実験を,2020(令和2)年8月上旬から開始したと発表した.
山陽電鉄における踏切横断時の安全対策については,すべての踏切への非常ボタンの設置や自動車が通行する全踏切(138ヵ所)の障害物検知装置の設置,警報機の遮断動作時間の延長,障害物検知装置の高性能化など,ソフト・ハードの両面から重点的に取り組んでいるが,さらなる安全性強化策として,オプテージが持つAI技術を活用した画像解析技術を活用し,踏切内に取り残された人を自動で検知する実証実験を開始するに至った.
実験では,オプテージの持つAI技術や通信技術,WEB開発技術を活用し,踏切の人の往来の映像をリアルタイムに解析する.危険を察知した場合は,エッジデバイスから信号を送出し,特殊信号発光機(停止信号)を発光させることで接近する列車の運転士へ通知を行ない,列車を安全に停止させることで,踏切における人身事故の抑制を図る.また,並行して運転指令室に危険の通知を行なう仕組を検証し,2021(令和3)年春の本格運用の開始を目指すとしている.
特記以外の画像はオプテージ提供