国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター(以下:理研AIP)とJR東日本は,理研AIP内にて「線路設備モニタリングデータへの人工知能利活用」に関する共同研究を実施すると発表した.
JR東日本では,2013(平成25)年5月に線路設備モニタリング装置を試験導入し,2018(平成30)年7月から本格導入しているが,本共同研究では,線路設備モニタリングにより得られたデータをもとに,AIを活用した線路状態の将来予測,画像判定機能の支援,線路修繕の意思決定支援を行うモデルの構築を,3年程度の研究期間で目指す.
線路状態の将来予測については,モニタリング装置から得られた線路のゆがみに関する時系列データに対して,将来予測モデルを構築することで,メンテナンスレベルの向上を図る.また,線路設備モニタリングでは,モニタリング装置から得られた画像をもとに,軌道材料の異常の有無を自動判別しているが,共同研究では,画像判定機能の支援にAIを活用することで,異常を自動検知できる軌道材料種別の拡大を図る.さらに,AIによる線路の修繕計画を支援するモデルを構築することで,効率的に最適な修繕計画を立てられるようにする.
写真:JR東日本E235系 編集部撮影 東京総合車両センターにて 2015-3-28(取材協力:JR東日本)
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