JR東海,架線の着氷霜対策の技術を開発

JR東海 N700系1000番台「N700A」

JR東海は,東海道新幹線における着氷霜対策として,氷や霜の付着をリアルタイムで検知し,車両の加速を自動的に制限することで,大きなアークの発生を抑える技術を開発し,2018(平成30)年度に試行すると発表した.

JR東海,架線の着氷霜対策の技術を開発

 東海道新幹線では,冬季期間,米原—京都間を中心とした区間において,架線に氷や霜の付着(着氷霜)が認められる場合に,運転士の操作により加速を制限して,運転している.これは,氷や霜が付着した架線とパンタグラフ間でアークが発生し,パンタグラフが損傷することを防止するためのもので,点検後に稀に発生する着氷霜により,パンタグラフ損傷の恐れがあることや,着氷霜を含むあらかじめ定められた区間において,実際の着氷霜区間よりも長い区間で加速を制限するため,列車遅延につながるという問題点があった.

JR東海,架線の着氷霜対策の技術を開発

 今回開発された技術は,パンタグラフ状態監視システムの電流センサを通じて,着氷霜によって生じる電流の乱れの有無を常時監視するもので,架線への着氷霜を検知した場合は,車両が自動的に加速を制限し,架線から取り入れる電流を低減する.これにより,着氷霜検知がリアルタイムで可能になり,パンタグラフの損傷リスクを低減できるほか,着氷霜区間のみに絞って加速を制限するため,列車遅延を短縮することができる.
 今後,2018(平成30)年12月から2019(平成31)年3月まで「N700A」タイプ10編成で試行し,2020年度の導入を目指す予定.

写真上:JR東海N700系1000番台「N700A」 編集部撮影 JR東海・浜松工場にて 2012-8-21 (取材協力:JR東海)

写真中・下:今回開発された着氷霜対策の仕組み(JR東海のニュースリリースから)

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鉄道ファン2019年1月号