総合車両製作所は,東京地下鉄(東京メトロ)の協力のもと,列車のすべての台車について脱線発生を検知するツインセンサ形の脱線検知装置「Train Saver+」(トレインセーバープラス)を開発したと発表した.
脱線検知装置は,乗員が気付きにくい中間車両の台車の脱線まで自動的に検知し,非常ブレーキなどを動作させて速やかに列車を停止させ,車両が線路から大きく逸脱して発生する衝突や転覆などの事故被害を軽減するための装置.
今回開発された「Train Saver+」は,各車両に2つある台車のそれぞれについて,脱線を検知するためにツインセンサ方式を採用している.各台車検知用のセンサユニット2台と本体制御ユニット1台から構成され,省スペース化・取付容易化・低コスト化を実現している.さらに,実際の脱線事故で検知実績のあるツインモードアルゴリズムによる高精度検知と,ハードウェア2重化による信頼性向上とを両立させた.
「Train Saver+」は,東京メトロ日比谷線13000系を皮切りに設置が進められており,2019年春の実運用をめざして現車検証が進められている.
写真上:ツインセンサ形脱線検知装置「Train Saver+」のシステム構成(総合車両製作所のニュースリリースから)
写真下:東京地下鉄13000系 編集部撮影 千住検車区にて 2016-8-31(取材協力:東京地下鉄)