JR東海では,「N700S」確認試験車について,次期営業車両に反映する新技術の最終確認に向けた走行試験を開始したと発表した.
試験期間は,おおむね3年間を予定し,車両はその後も試験研究用車両として活用される.
試験内容については,新たに搭載することが可能となったリチウムイオン電池(鉄道ニュース3月13日掲載記事参照)を用いて,高速鉄道では初のバッテリ自走システムによる走行試験を2018(平成30)年9月ごろから実施する.この技術により,地震などによる長時間停電時にトンネル内や橋りょう上に停車した新幹線を,架線からの電力を使わずに,自力走行で安全な場所へ移動させることが可能となる.なお,バッテリについては,車両の検修や,整備作業などへの活用(高圧電線付近作業の低減,車両所内電力設備低減など)についても検討する.
このほか,さまざまな編成長で構成可能な「標準車両」の特徴を生かし,16両編成から8両編成に短縮した状態での走行試験も2018年10月ごろから実施する.
写真:JR東海「N700S」確認試験車 編集部撮影 浜松工場にて 2018-3-10(取材協力:JR東海)