南海電鉄では,増加する訪日外国人旅行客への案内サービスの拡充と,駅窓口案内の迅速化による混雑緩和を図るため,QRコードとWEBサイトが連動した旅客案内ツール「NANKAI TRAVEL GUIDE」の運用を開始するとともに,ワンマン区間を除く南海線の全線において,タブレット端末を用いた「多言語列車放送システム」を導入すると発表した.
「NANKAI TRAVEL GUIDE」は,2018(平成30)年3月24日(土)から運用を開始する.多言語に対応した旅客案内用WEBサイトを新たに開設し,WEBサイトにつながるQRコードを掲載したポスターや,カードなどを南海本線・空港線の駅を中心に設置して,利用客への案内サービスを拡充する.WEBサイトは,乗車券の購入方法,改札機の使用方法,他社線への乗換え方法,沿線観光地の情報,マナー啓発など当社鉄道サービスに関わる内容が掲載される.また,乗換え方法の案内には,VR(バーチャルリアリティ)を活用した360度表示を使用し,スマートフォンなどの端末をとおして,実際に現地で目にするのと同様の目線で確認できる.対応言語は,日本語,英語,中国語(繁体語・簡体語),韓国語,タイ語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,ポルトガル語,ベトナム語,ロシア語,アラビア語,インドネシア語の15言語となる.
QRコードは,難波駅や関西空港駅などの各駅に,WEBサイトにつながるQRコードを掲載したポスターやパンフレット,ステッカー,カードなどを設置し,利用客が鉄道を利用する際に,必要な情報を確認できる環境を整える.また,インバウンド向け企画乗車券のチラシにQRコードを掲載し,海外の旅行代理店に配布することにより,訪日前の利用客にWEBサイトが確認でき,南海電鉄の鉄道サービスを利用可能にする.
タブレット端末による「多言語列車放送システム」は,2018(平成30)年3月29日(木)から順次導入する.このシステムは,近畿日本鉄道と近鉄車両エンジニアリングが共同開発し,近畿日本鉄道で使用されているものを南海電鉄用に改修したもので,乗務員(車掌)が携帯するタブレット端末を,車両の放送装置に接続することで,多言語(日本語・英語・中国語・韓国語)による案内放送や,マナー啓発放送,異常時案内放送を行なうことができるシステム.導入路線および車両は,ワンマン区間を除く南海線を走行する車両(特急・一般車両で,すでに多言語自動放送装置を搭載している車両は除く).
写真:南海電気鉄道のニュースリリースから