写真:筑豊電気鉄道5000形 松本洋一撮影 黒崎車両工場にて 2014-11-27(取材協力:筑豊電気鉄道)
筑豊電気鉄道は,2026(令和8)年7月18日(土)に全区間の運賃を改定すると発表した.
今回の改定は,これまで国の「認可運賃」を下回る水準に設定していた全区間の運賃について,「認可運賃」と同額へと引き上げるもの.背景には,少子高齢化や「モータリゼーション」の進展にともなう沿線人口の減少に加え,新型コロナウイルス感染症の影響による新たな生活様式の定着など,輸送人員が回復していない事業環境がある.
あわせて,一部車両における機器の老朽化や安全性を維持するための線路・電気設備への投資,物価高騰の影響,乗務員や技術員の確保に向けた待遇改善による人件費の増加が経営を圧迫していることから,将来にわたり鉄道事業を安定的かつ継続的に運営するため,今回の運賃改定に至った.
全体の改定率は,普通旅客運賃が5.19%,通勤定期旅客運賃が5.01%,通学定期旅客運賃が4.97%となっており,定期旅客運賃の合計改定率は5.00%,改定率の合計は5.10%となる.
▲普通旅客運賃 改定前後の比較
おもな改定内容は,普通旅客運賃の1区である黒崎駅前—熊西間,2区の黒崎駅前—森下間は現行から10円値上げし,それぞれ230円,270円となる.また,3区の黒崎駅前—三ヶ森間は340円,4区の黒崎駅前—筑豊中間間は380円,7区の黒崎駅前—筑豊直方間は480円へと,いずれも20円値上げする.
企画乗車券なども改定の対象となり,1駅間を利用できる「ICおとなり割引」が現行の160円から170円に,「ちくてつ24時間フリーきっぷ(デジタル)」が920円から960円に,「昼割フリー定期券(1ヶ月)」が6000円から7000円にそれぞれ引き上げられる.なお,「ちくタクきっぷ(850円)」は運賃改定日となる7月18日(土)をもって廃止する.
定期券については,年7月17日(金)までに購入したものであれば,通用開始日が7月18日(土)以降であっても現行の改定前運賃で購入が可能であり,新規・継続ともに通用開始日の14日前から購入できる.
▲西黒崎駅概要
また,2026(令和8)年7月31日(金)をもって,西黒崎駅を廃止する.西黒崎駅は1992(平成4)年10月25日に,西鉄北九州線の廃止にともなう交通結節点として新設されたが,2002(平成14)年3月にバスターミナルが黒崎駅前駅へと移転(現西鉄黒崎バスセンター)したことでその役割が低下した.
2019(令和元)年度の1日平均乗降客数は151名と全体の約0.6%にとどまっており,さらに「国道3号黒崎バイパス」の建設工事にともなって2021(令和3)年10月1日(金)より約5年間,旅客取扱を休止していた(鉄道ニュース2021年8月8日掲載記事参照).
「国道3号黒崎バイパス」整備後に同駅を再開させる場合,駅施設の復旧工事などに多大な費用を要するほか,現行ダイヤの維持が困難となり収支悪化を招くおそれがあるため,施設の維持管理コスト削減と経営効率化のために廃止する判断が下された.なお,西黒崎駅は前後の駅である黒崎駅前駅まで約200m,熊西駅まで約500mといずれも徒歩圏内に位置しているため,廃止後も近隣駅からの利用が可能であるとしている.
一部画像は筑豊電気鉄道ニュースリリースから












