▲新形急行用車両3000系のイメージ
阪神電気鉄道は,2026(令和8)年度の鉄道事業において,総額172億円の設備投資を実施すると発表した.
車両については,新形急行用車両「3000系」を2027(令和9)年春に導入する.車両のエクステリアカラーには,同社の急行用車両として長年愛されてきた「赤胴車」のイメージを受け継ぐ「Re Vermilion(リ・バーミリオン)」が採用される.最新の駆動システムや快適性・省エネ性に優れた機器を導入することで,従来の8000系車両と比較して消費電力を約60%削減し,ストレスフリーな車内環境と大幅な環境負荷低減を同時に目指す.
近年の着席保証に対するニーズの高まりに応え,同社初となる座席指定サービスが開始される.サービスは,3000系の1編成(6両)のうち1両を座席指定車両として運行するもので,具体的な運行区間や料金などの詳細については後日発表される予定.
▲改良工事後の野田駅イメージ(2027年度竣工予定)
駅舎のリニューアルについては,駅の安全性や利便性の向上を目指して2026(令和8)年度から野田駅改良工事に着手する.工事では,可動式ホーム柵の整備や改札内外のエスカレータ,エレベータの更新を一体的に進めるほか,ホーム床面の美装化などが実施され,2027(令和9)年度の竣工を予定している.
▲可動式ホーム柵
ホームドアについては,鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したホーム柵(可動式または固定式)の設置工事を引き続き進める.阪神では2032(令和14)年度末までに全駅への整備を完了することを目指しており,2026(令和8)年度内は福島駅の上下線,淀川駅の上下線,姫島駅の上下線,さらに西宮駅の1番線と4番線(2番線・3番線は今後整備予定)の計4駅を対象に,可動式ホーム柵の供用を開始する予定.
▲阪神なんば線淀川橋梁改築事業
阪神なんば線の福—伝法間に架かる淀川橋梁の改築事業に継続して取り組む.事業では津波や高潮に備えて橋脚数を減らし,橋の高さを上げることで,地域の住環境や列車運行の安全性を高めるものである.
あわせて,国や大阪市と協力した立体交差事業(高架化)として周辺の踏切を5ヵ所除却することにより,周辺道路の混雑解消や地域の交通利便性・魅力向上を図る.
▲線路の状態確認のようす
鉄道関係の新たな技術開発やインフラ維持管理については,運転保安度向上施策として耐久性が高いまくら木への更新や,レール分岐器の改良によるメンテナンスの省力化,騒音の低減などに継続して取り組むほか,保線業務に使用するレール運搬台車の更新を行なう.
全線において93%が立体化(高架化または地下化)されている強みを活かしつつ,2026(令和8)年度も高架橋などの耐震補強工事,適切な更新や維持管理を進め,自然災害に備える.既存施設の長寿命化や線路の状態確認,高架下の打音検査なども実施する.老朽化したPTC(列車運行管理)システムの更新に加え,運行管理の要となるPTCセンター建物の耐震化に向けた工事も行なう.
▲「阪神アプリ」の利用イメージ
このほか,デジタル面では最新の運行情報やダイヤ検索などを提供する「阪神アプリ」の機能強化を図る.2026(令和8)年度には,新たに導入される座席指定サービスの予約サイトとの連携開始を予定している.
環境面では,2025(令和7)年4月から開始している鉄道用電力を実質的に再エネ電力100%とする「全線カーボンニュートラル運行」を2026(令和8)年度も継続する.双日と関西電力と提携し,同社専用に開発された合計約10000kWの太陽光発電設備から追加性のある再生可能エネルギー電力を20年間の固定料金で調達する「オフサイト型コーポレートPPA」を新たに導入するほか,鉄道施設への太陽光パネルの設置を進め,さらなる環境負荷の低減を図る.
一部画像は阪神電気鉄道ニュースリリースから











