写真:阪急電鉄2000系 編集部撮影 平井車庫にて 2025-1-18(取材協力:阪急電鉄)
阪急電鉄は,2026(令和8)年度の鉄道事業において,総額420億円の設備投資を実施すると発表した.
写真:阪急電鉄9300系 編集部撮影 正雀車庫にて 2003-10-8(取材協力:阪急電鉄)
車両については,神戸線・宝塚線向けの通勤車両2000系を5編成導入する.導入からおおむね25年が経過した車両を対象とした大規模リニューアル工事については,9300系3編成に施工する.リニューアルでは,制御装置を新形車両と同仕様の高効率な装置に更新して省エネルギー性能を向上させるほか,車いすスペースの拡大によるバリアフリー化を図る.車両が衝突や脱線などの異常挙動を検知した際,近隣を走行する列車へ危険を知らせる信号を自動発報する機能を新たに追加し,安全性を向上させる.
▲防犯カメラ(左)と前方カメラ
2027(令和9)年度末までの全車両設置を目標としている車内防犯カメラについては,2026(令和8)年度末時点で全車両の約80%への設置を目指す.カメラには通信機能があり,車内の状況を映像で迅速に把握できるため,犯罪や迷惑行為の抑制に貢献する.あわせて,事故や災害時の状況把握を目的とした前方カメラの設置も進める.
▲可動式ホーム柵(川西能勢口駅)
ホーム柵の整備と駅のバリアフリー化については,ホームの安全性早期向上に向けて当初の計画から期間を5年短縮し,2035(令和17)年度の全駅整備完了という新たな目標を掲げて整備を加速する.2026(令和8)年度は新たに10駅計22番線においてホーム柵の供用開始を目指す.このうち,神戸線の園田・塚口・武庫之荘の3駅,宝塚線の豊中・雲雀丘花屋敷の2駅,京都線の桂・烏丸駅の計7駅16番線に可動式ホーム柵を設置する.嵐山線の上桂・松尾大社・嵐山の3駅(計6番線)には固定式ホーム柵を整備するとともに,ホームと車両の段差や隙間の解消工事も引き続き進める.
▲高架化工事中の淡路駅
連続立体交差事業について,淡路駅付近(京都線・千里線)連続立体交差事業では引き続き高架化工事を進めるほか,大阪府が事業主体となる摂津市駅付近(京都線)連続立体交差事業では,2026(令和8)年度から本格的な鉄道工事に着手する.
▲高架化後の摂津市駅のイメージ
安全性の向上については,自動車が通行可能な全踏切への障害物検知装置の設置はすでに完了しているが,従来の「線」による検知から「空間」での物体検知が可能な「改良型3次元レーザレーダ式障害物検知装置」への置換えを進める.2026(令和8)年3月末時点で32踏切に導入済みの同システムを,今年度は新たに13踏切へ展開し,渡り遅れや転倒による事故を削減する.
▲大阪梅田駅3階のリニューアル工事のイメージ
沿線価値の持続的な向上のため,大阪梅田駅では「将来のありたい姿」にもとづき,2026(令和8)年1月から3階コンコースとホームの大改修工事を開始した.各線の列車停止位置を約14m十三側へ移動させることでコンコース先端空間にゆとりを持たせ,駅設備を充実させるほか,全ホームへの可動式ホーム柵設置による段差・隙間の低減や,茶屋町口改札口へのエレベータ新設によるバリアフリー化を実施する.
▲なにわ筋連絡線,新大阪連絡線概要
新線計画については,新大阪駅周辺の都市再生開発にあわせて,十三—JR大阪駅間の「なにわ筋連絡線」,十三—新大阪間の「新大阪連絡線」の計画具体化に向けて引き続き注力する.
▲新駅設置場所となる武庫川橋梁付近
武庫之荘—西宮北口間の武庫川橋梁上への設置を目指す「武庫川新駅」については,2026(令和8)年度中の工事着手を予定しており,2031(令和13)年度末の開業を目標に西宮市・尼崎市と連携したまちづくりを進める.
▲太陽光パネルの設置(西宮北口駅)
環境面では,2025(令和7)年4月から開始した「全線再エネ電力100%による運行」を継続しつつ,駅舎や工場の屋根への太陽光パネル増設による創エネ,LED照明や回生電力貯蔵装置の導入による省エネをさらに進める.
このほか,大雨対策として3ヵ所の法面補強工事を実施するほか,大規模地震に備えて4ヵ所の高架橋柱を鋼板巻き立てにより耐震補強する.南海トラフ地震等の津波予測区域における情報を網羅した「避難看板」は,今年度末までに駅間の架線柱などを含む全線への設置を完了する予定.
一部画像は阪急電鉄ニュースリリースから











