JR九州グループは,工場で部材を製作し,現場で組み立てる「ユニット化待合所」の第1号案件を,日南線内海駅(宮崎県宮崎市)において供用を開始したと発表した.
これは,建設業界における労働力不足や資材・人件費の高騰という深刻な課題に対応するため,新たな駅施設構築手法を導入したもの.建設業界では人手不足とコスト増が常態化しており,ローカル線の駅施設整備においても効率化が急務となっているが,本取組は,施工の省力化と耐久性の向上,さらには自然光を取り込む明るい待合空間の実現を目的としている.
今回のプロジェクトは太陽工業の協力のもと,太陽工業の小形膜パネル技術「PF LIGHTS」を屋根材として初めて応用した.従来,膜材の屋根は専門技術者が現場で張り上げるのが一般的であったが,工場であらかじめ膜を張ったパネルを搬入・設置する方式を採用することで,大幅な施工の省力化に成功している.
構造面ではプレカット済みの集成材と汎用的な接合部材を組み合わせる設計とした.これにより,特殊な技能を要さず,地域の工務店などでも高い品質を確保した施工が可能となっている.さらに,建物高さを抑え,隠蔽部や二次部材を極力排除した設計により,意匠と構造の両面で合理性を追求した.このコンパクトな造りは,将来的な点検や修繕といった維持管理の負担軽減にも寄与する.
JR九州は今後,ドローンを活用した遠隔点検などのデジタル技術と組み合わせた維持管理手法の導入も視野に入れている.施工から運用までを一貫して効率化する仕組みづくりを加速させ,持続可能な鉄道インフラの維持に取り組むとしている.
写真はすべてJR九州提供













