鉄道ファン2026年6月号(通巻782号)
『鉄道ファン』2026年6月号
2026年4月21日発売
定価1300円(税込)

和歌山電鐵,鉄道事業旅客運賃の上限変更を申請

和歌山電鐵,鉄道事業旅客運賃の上限変更を申請

写真:和歌山電鐵2270系「うめ星電車」  松本洋一撮影  2016-12-23

和歌山電鐵は,近畿運輸局長に対し,2026(令和8)年7月1日(水)を改定予定日として,貴志川線の鉄道事業旅客運賃上限変更認可申請書を提出したと発表した.

 和歌山電鐵では,2006(平成18)年の事業引継ぎ以降,個性的な車両の導入や「猫の駅長」による話題づくり,多能工化による経営効率化など,路線の維持に努めてきた.しかし,コロナ禍や少子高齢化の影響で通勤・通学需要の回復が限定的であることに加え,物価高騰や人件費の増大,災害復旧費用の負担などが重なり,年間2億円を超える営業赤字が継続している.今回の改定は,安全な輸送サービスを維持し,地域の足としての役割を永続させることを目的としている.
 今回の申請では,国が認可する上限運賃の引上げとともに,実際に乗客から収受する実施運賃を設定する予定.改定率は実施運賃ベースで,普通旅客運賃が16.1%,通勤定期が15.9%,通学定期が25.4%となる見込み.
 普通旅客運賃の1〜3km区間は現行の190円から220円に,13〜15km区間は410円から480円に改定される.1ヵ月あたりの定期運賃については,通勤13〜15km区間が14730円から18720円へ,通学13〜15km区間が8800円から10370円へとそれぞれ引き上げる.

和歌山電鐵 2270系「いちご電車」

写真:和歌山電鐵 2270系「いちご電車」  松本洋一撮影  伊太祈曽車庫にて  2006-8-6(取材協力:和歌山電鐵)

 和歌山電鐵では,今回の改定によって直ちに黒字化するわけではないとしているが,経営努力と自治体の支援をあわせることで一定の収支改善を図るとしている.
 今後は,老朽化した施設や車両の計画的な更新による安全確保に加え,キャッシュレス決済(交通系ICカード)の導入や,通学1年スマホ定期券の割引率引き上げといった利便性向上策の検討も進めていく.あわせて,自治体との連携による上下分離方式の導入も見据え,持続可能な事業運営の確立を目指すとしている.詳しい運賃については,国土交通省の認可後に改めて発表される予定.

写真はすべてイメージです.

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