鉄道ファン2026年6月号(通巻782号)
『鉄道ファン』2026年6月号
2026年4月21日発売
定価1300円(税込)

京王,2026年度の設備投資計画を発表

京王電鉄2000系

写真:京王電鉄2000系  編集部撮影  若葉台車両基地にて  2025-10-27(取材協力:京王電鉄)

京王電鉄は,2026(令和8)年度に鉄道事業において,総額438億円の設備投資を行なうと発表した.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

京王電鉄9000系リニューアル車  編集部撮影  若葉台車両基地にて 2025-3-8(取材協力:京王電鉄)

 車両については,最新の省エネ半導体(フルSiC素子)を用いた新形のVVVFインバータ制御装置の採用と,大形フリースペース「ひだまりスペース」を5号車に設置した新形通勤車両2000系2本を導入する.
 9000系は1本をリニューアルし,すべての車両にフリースペースを設置するほか,一般座席の縦握り棒の増設と,優先座席の縦握り棒にディンプル加工(滑り止め加工)を実施する.

写真:京王電鉄8000系

写真:京王電鉄8000系  目黒義浩撮影  南平—高幡不動間にて  2020-5-20

 運転用電力を削減するため,より省エネ性能の高いVVVFインバータ制御装置への更新を8000系1本(10両編成)で実施するほか,9000系のリニューアルでは,最新の省エネ半導体(フルSiC素子)を用いた新形のVVVFインバータ制御装置やSIV装置(車両用補助電源装置)への更新により,さらなる消費電力の削減を図る.さらに,車両機器情報データを活用し,京王線での省エネ運転の導入を進める.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲高架橋躯体(明大前—下高井戸駅間)

 京王線笹塚—仙川間の連続立体交差事業については引き続き,用地取得や高架橋の構築を進める.
 京王線(仙川駅~国領駅付近)連続立体交差事業については,2026(令和8)年4月に事業区間が国から新規事業採択箇所として着工準備採択され,引き続き事業主体である調布市と連携し,事業着手に向けた取組を進める.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲京王線新宿駅改良工事 延伸部のイメージ

 駅改良については,京王線新宿駅の地下2階ホームを東京メトロ丸ノ内線側へ延伸するとともに改札口を新設することで,地下2階のホーム階から東京メトロ丸ノ内線へ乗換え可能な動線などを整備する.これにより,新宿駅西口地下広場における乗換え時間の短縮などを目指す.2031(令和13)年度の工事完了に向け,2026(令和8)年度は既設躯体の解体工事などを進める.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲京王多摩川駅 改良後のイメージ

 京王多摩川駅前周辺の開発事業にあわせて,京王多摩川駅の駅改良工事を2026(令和8)年度に完了する.工事では,エレベータ大形化や旅客トイレ改修のほか,ホームドア整備やホームと車両床面の段差隙間の縮小など,バリアフリー機能を強化する.
 渋谷駅では,西口改札階とホーム階を結ぶエレベータを新設し,バリアフリールート2ルート目の整備を完了する.なお,エレベータによる改札口とホームの段差解消や,視覚障害者の誘導,注意喚起をする点状ブロックを整備したバリアフリールートの1ルート目の整備は,すべての駅で完了している.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲ホームドア(写真は高井戸駅)

 ホームドア整備については,井の頭線は2020年代中ごろ(~2027年度),京王線は2030年代前半にホームドアの全駅整備を目指しており,2026(令和8)年度は新代田・幡ヶ谷・稲城など7駅の整備を進める.
 ホームドアの整備にあわせて,新代田・幡ヶ谷・稲城の各駅などでホームと車両の段差・隙間対策を進める.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲自動運転 車体特徴と概要(ポイント)

 自動運転設備を活用したワンマン運転については,井の頭線で2020年代後半,京王線で2030年代中ごろの導入を予定しており,2026(令和8)年度は,井の頭線の地上設備整備の進ちょくを踏まえ,自動運転の実証試験区間を拡大するとともに,車両工事を進める.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲左:AIカメラによる外観点検イメージ/右:画面イメージ

 保守業務の効率化・高度化の実現に向けて,車庫内で目視により実施している列車点検を,屋根上・床下に設置したカメラの映像による点検に置き換えるシステムの導入を進める.AIが要点検箇所を抽出し,異常の有無を自動判定することで,作業の安全性や点検精度向上,効率化を実現するもので,将来的には,営業線で実施することを視野に入れ,技術検証を進める.
 また,駅におけるAIアバターや遠隔による案内システムの導入に向けて,AIの高度化と導入駅の拡大について検討する.2026(令和8)年度は,引き続き設備の導入を進める.

京王,2026年度の設備投資計画を発表

▲左:踏切道内外検知イメージ/右:踏切道AIカメラ映像のイメージ

 大規模地震に備え,高架橋や盛土区間,電線を支持しているコンクリート柱を地震に強い鋼管柱に更新する耐震補強工事や,線路脇法面の改修工事を引き続き実施する.
 踏切における安全対策では,踏切道に新設したカメラで,踏切道やその周辺のリアルタイム映像をAIで解析して不審者の侵入を早期に検知するための検証を開始し,今後は踏切道へのカメラの設置を拡大するとともに,検知精度向上を図る.

京王電鉄5000系

写真:京王電鉄5000系  編集部撮影  若葉台検車区にて  2017-7-19(取材協力:京王電鉄)

 このほか,移動需要の創出に向けた取組として,所要時間短縮に向けた抜本的なダイヤ改正に必要な整備を進めるほか,「京王ライナー」の価格体系を需要に応じて柔軟に変更できるようシステム改修を実施する.
 外部との連携による人流創出として,バスやシェアサイクルなどの二次交通,スポーツイベントなどとのポイント連携を通じた沿線活性化を図る.
 詳しくは,京王電鉄ニュースリリースに掲載されている.

一部画像は京王電鉄提供

このページを
シェアする