鉄道ファン2026年6月号(通巻782号)
『鉄道ファン』2026年6月号
2026年4月21日発売
定価1300円(税込)

十国峠ケーブルカー,2027年夏にスロープカーを導入へ

十国峠ケーブルカー,2027年夏にスロープカーを導入へ

富士急グループの十国峠株式会社は,十国峠の山麓森の駅と山頂パノラマテラスを結ぶケーブルカーに代わる新たな交通手段として,2027(令和9)年夏にスロープカーの運行を開始すると発表した.

十国峠ケーブルカー,2027年夏にスロープカーを導入へ

 今回の設備更新は,設置から約70年が経過した現行のケーブルカーの老朽化にともなうもの.部品確保が年々困難となり,将来的な安全性の維持に懸念が生じていることから,富士急行の創業100周年という節目にあわせて全面刷新を決定した.
 デザインは,芦ノ湖の遊覧船「箱根遊船 大茶会」などを手掛けたイチバンセンの川西康之氏が担当し,十国峠の名称にちなんだ「十角形の切子」をイメージした独創的なフォルムを採用する.車体には床から天井まで届くフルハイトの大形ガラスを全周に配備しており,360度全方向に開かれた大窓によって,移動中も箱根・伊豆の絶景を体感できる「動く展望台」へと再生する.

十国峠ケーブルカー,2027年夏にスロープカーを導入へ

 製作は嘉穂製作所が担当し,跨座式斜面走行モノレール方式を採用する.自走式モータによるラック&ピニオン方式の導入により,最大勾配50度までの走行が可能となっている.
 勾配の変化にかかわらず車内の床面を常に水平に保つ構造を取り入れたことで,車椅子やベビーカーの利用者も安心して乗車できる.あわせて,駅舎から車両までの動線をバリアフリー関連法令に準拠して整備し,すべての利用者がスムーズかつ安全に移動できる環境を整える.
 スロープカーの総工費は約8億円を見込んでおり,全長約320m,平均勾配20度のルートを片道約4分で結ぶ計画で,乗車定員は80名(40名×2両編成)を予定している.

画像はすべて富士急行提供
画像はイメージです.

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