鉄道ファン2026年2月号(通巻778号)
『鉄道ファン』2026年2月号
2025年12月19日発売
特別定価1400円(税込)

ヘラルボニー×ことでん,アートラッピング電車を運行

ヘラルボニー×ことでん,アートラッピング電車を運行

▲アートラッピング電車の外観

株式会社ヘラルボニーは,高松琴平電気鉄道(ことでん)と協業し,2025(令和7)年12月4日(木)からアートラッピング電車(2両編成)を琴平線で運行している.

ヘラルボニー×ことでん,アートラッピング電車を運行

▲アートラッピング電車「出発式」のようす

 この共創プロジェクトは,「はみだせ、しあわせ。」を合言葉に,香川県在住の契約アーティスト・山内雅人氏が描いた作品を採用したもので,琴平線の1200形(1203号車・1204号車)にラッピングが施されている.

ヘラルボニー×ことでん,アートラッピング電車を運行

▲アートラッピング電車の車内

 この取組みは,「異彩を、放て。」をミッションに,障害のイメージ変容と福祉を起点とした新たな文化の創出を目指すヘラルボニーと,「あらゆる人が自由に自分らしく暮らせる地域をつくる」という理念のもと,多様な人々の移動を支える「ことでん」との想いが共鳴したことにより実現した.
 両社はこの電車を通じて,「こうあるべき」「こうでなければ」という先入観や固定観念から乗り換える「走るアート体験」を提供し,多様な色が混ざりあう幸せな未来を目指すメッセージを発信する.

ヘラルボニー×ことでん,アートラッピング電車を運行

▲アートラッピング電車の天井付近

 アートラッピング電車に採用された作品のタイトルは,「いろんな色」で,車両には,山内氏のアートとともに新たな景色につながる「問い」がラッピングされてる.
 山内雅人氏は,色画用紙をちぎった貼り絵をきっかけに創作活動を始め,色彩感覚の素晴らしさと創作への集中力を持って作品を制作している.とくに近年は,エクセルで作成したマス目に色鉛筆で色を塗る作品づくりに取り組んでおり,毎日30分という限られた時間の中で,ひとマスずつ丁寧に仕上げている.作品は,本人にしか出せない色使いと塗り方であり,唯一無二のものとなっている.
 このアートラッピング電車は,2027(令和9)年7月ごろまで運行される予定.

写真はすべて株式会社ヘラルボニー提供

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