鉄道ファン2025年10月号(通巻774号)
『鉄道ファン』2025年10月号
2025年8月21日発売
定価1300円(税込)

台湾高鐵,新形車両の形式名は「N700ST」に
〜外観デザインも発表〜

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台湾高鐵,新形車両の形式名は「N700ST」に

台湾高速鉄道(台湾高鐵)は,新形車両の形式名を「N700ST」に決定するとともに外観デザインを発表した.

 「N700ST」は,JR東海の「N700S」をベースとした車両で,「T」は台湾を意味する.外観デザインは初代「700T」のオレンジと黒の鮮やかなカラーリングを継承しつつ,洗練された新世代の車体曲線が特徴となっている.前面は鮮やかな白を基調とし,オレンジと黒の帯が側面に平行に配される.
 これまでの「700T」よりも軽量化され,同時に高性能化,省エネ化,乗り心地の向上も図る.車内にはフルカラーLCD車内情報ディスプレイや到着照明,2段式荷物棚,充電機能付きラップアラウンドシートなどを備える.また,騒音・振動対策も強化される.授乳室には洗面台,コートフック,ベビーシートが設置される.車椅子対応座席についても,現行の4区分から6区分に増設し,車椅子固定装置も設置する.

台湾高鐵,新形車両の形式名は「N700ST」に

 「N700ST」は,日立製作所と東芝,東芝インフラシステムズなどで構成される「Hitachi Toshiba Supreme Consortium」が台湾高鐵から製造を受注しており,12編成(144両)のうち,一部を日本車両が製造することが決まっている(鉄道ニュース2024年4月27日掲載記事参照).
 「N700ST」の第一陣は,2026(令和8)年8月に台湾に輸送され,各種試験を実施したあと,2027(令和9)年後半に運行開始を予定している.12編成の運行が開始されると,ピーク時の輸送力は約25%増加する見込みとしている.
 「N700ST」の導入に備え,左営基地の第2整備施設の建設や,燕巣主機関工場と台北駅のホームドアの改修などのほか,人員育成や運行サービスの調整も進められている.

画像はいずれも台湾高速鉄道(台湾高鐵)ニュースリリースから

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