
▲建物全景
名古屋鉄道・名鉄都市開発・日本生命保険相互会社・近畿日本鉄道・近鉄不動産は,5社共同で検討を進めている「名古屋駅地区再開発計画」について,事業者間で事業化を決定したと発表した.

▲再開発計画概要
※名古屋市WEBサイト「名古屋駅周辺まちづくりの現在の状況(令和7年4月)」をもとに一部加工
再開発計画は,「行政が主体となって進めるリニア関連プロジェクトとの整合」,「社会的要請にも対応した空港アクセス利便向上に資する名鉄名古屋駅の拡張(4線化)を含めた地域交通拠点の形成」,「名駅南地区やささしまライブ,栄をはじめとする都心部ににぎわいを広げる共同開発」を基本的な考え方とし,『世界に冠たる「スーパーターミナル・ナゴヤ」を目指す名古屋駅前に,個性と感性にあふれる多彩な人々や発想が交差し,あらたな価値観と文化を創発する唯一無二のランドマークをつくり上げる』を再開発のビジョンとする.

▲3層の南北歩行者ネットワークと空中回廊(笹島交差点の北東角から太閤通を望む)
具体的には,「あらたな価値,魅力の集積」として,歩いて楽しい商業施設の開発や,体験型のエンターテイメント性に富んだ集客施設の導入,ハイグレードSクラスオフィスの供給,新たなラグジュアリーホテルの創出を行なう.なお,ホテルのブランドについては,中部圏で初となるハイアットホテルズ コーポレーションの最高級ライフスタイルブランド「アンダーズ」に決定している.
「人中心でウォーカブルなまちづくりへの取組」として,3層(地下1階,地上1階・2階)の南北歩行者ネットワークの整備や屋上広場や屋外テラスなどの多彩な滞留空間の創出,まちにひらかれた再開発建物を中心に,名駅通の活性化と周辺エリアへの波及などを挙げている.
「スーパーターミナル・ナゴヤの実現」では,空飛ぶクルマなどの次世代モビリティにも対応したスーパーモビリティハブ機能の整備や,名古屋市などが進める高速路線バスの一元的な集約に対応するバスターミナルの再整備を進める.

▲名駅通側のプロムナード(中央の広場,地上1・2階の通路を望む)
建物デザインについては,アクティビティやにぎわいが建物内外で相互に感じられる空間を形成し,歩いて楽しい名駅通を創出する.名古屋駅からささしまライブにつながる新たなスカイラインを形成し,ダイナミックな都市景観を生み出す.名駅エリアの回遊性向上を図るため,パブリックスペースでもある動線の骨格を外観に表現するほか,太閤通上空などに東西方向の抜けを確保し,視覚的に東西の「まち」をつなげる.

▲駅前広場側ファサード(現ミッドランドスクエア側から施設北東角を望む)
建物は延床面積約520,000平方メートル,地上31階・地下2階,高さ最大約172mで,用途構成については「北街区」と「南街区」で構成される.
「北街区」には5社共同で進めるオフィス,名古屋鉄道が進める商業施設,名古屋鉄道と近畿日本鉄道が進める鉄道駅とする(共同駅ではない).また「南街区」は,ホテル・オフィス・バスターミナルとし,すべて名古屋鉄道が事業者となって進める.

▲建物用途構成
今後のスケジュールについては,2026(令和8)年度に現行建物の解体に着工し,2027(令和9)年度に新築着工,2033(令和15)年度に1期本工事竣工,2040年代前半に2期本工事竣工を予定している.
写真はすべて名古屋鉄道提供
デザインアーキテクト:株式会社日建設計・SKIDMORE, OWINGS & MERRILL LLP
パース画像はイメージです.