鉄道ファン2025年7月号(通巻771号)
『鉄道ファン』2025年7月号
2025年5月21日発売
特別定価1400円(税込)

名鉄名古屋駅再整備計画の概要を発表

名古屋鉄道 2000系“ミュースカイ”

写真:名古屋鉄道2000系“ミュースカイ” 百々貴俊撮影

名古屋鉄道は,「名古屋駅地区再開発計画」とあわせて実施する「名鉄名古屋駅再整備計画」について,計画概要を決定したと発表した.

名鉄名古屋駅再整備計画の概要を発表

▲施工ステップ

 名鉄で最大のターミナル駅である名鉄名古屋駅については,施設の老朽化が進んでいることに加え,ホームやコンコースが狭く段差が多い構造であること,改札口が多数分散して同一ホームに複数方面の列車が発着するため利用者にとってわかりにくいことなど,多くの課題を抱えている.
 リニア中央新幹線開業と,それを契機に名古屋市などが進めるスーパーターミナル化を機会と捉え,4線化をはじめとする再整備を行ない,鉄道ネットワークの機能を強化し,公共交通分担率の向上を目指す.あわせて,中部国際空港アクセスを担う唯一の鉄道事業者として「空港アクセス強化」やリニア開業効果を広域的に波及させる「地域交通拠点の形成」などの社会的要請にも対応するとしている.
 案内設備・駅務機器・内装などに最新技術を取り入れ,国際レベルのターミナル駅としての機能・装いを備える形で再整備することで,名鉄最大のターミナル駅としてふさわしいデザイン性に優れた先進的な駅を目指す.

名鉄名古屋駅再整備計画の概要を発表

▲駅概要図(1期工事)

 開発事業1期工事では,現行の鉄道施設(駅施設・線路など)の範囲外で構築する再開発ビルの地下空間に,新たに2線を敷設し,駅機能を移設・拡張する.
 老朽化した鉄道施設の更新に加え,昇降施設の増設などによる段差の改善,案内設備などの刷新による空港利用者などの利便性向上,ホームやコンコースの拡張による大規模災害発生時の対応力向上・ゆとりをもった駅空間の整備などを図る.

名鉄名古屋駅再整備計画の概要を発表

▲駅概要図(2期工事)

 開発事業2期工事では,現行の鉄道施設(駅施設・線路など)を撤去して構築される再開発ビルの地下空間に,2線を追加敷設し,4線化をはじめとして,空港アクセスのわかりやすさと利便性向上のため,「空港アクセスホーム」を設置する.
 あわせてホームドアの設置や複数の旅客動線のバリアフリー化,ホーム・コンコースを1期リニューアル時よりさらに拡張することで,さらにゆとりをもった駅空間の整備などを実施する.
 投資額は約3200億円で,2026(令和8)年度に工事に着手し,2033(令和15)年度に1期本工事の竣工,2040年代前半に2期本工事の竣工を予定している.

一部画像は名古屋鉄道提供

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