
▲乗車位置検知オプションと降車位置誤り防止オプションの利用イメージ
相模鉄道は,日立製作所の「移動制約者ご案内業務支援サービス」を導入し,2025(令和7)年5月1日(木)から運用を開始したと発表した.
このサービスは,駅係員が車いすや白杖利用者などの列車乗降をサポートする業務をスマートデバイス上で完結できるもの.日立が開発した本サービスは,従来,電話や口頭伝達が主となっていた利用受付から駅係員間の連絡・引継,実績管理といった列車乗降サポート業務のプロセスを,スマートデバイス上で完結できるようになっている.
2022(令和4)年のサービス提供開始以来,関東エリアでは複数の鉄道事業者が本サービスを導入しており,乗客の安全・安心な移動の実現と,駅係員の業務負荷ならびに心理的負荷の軽減を図ってきた.一方で,複数の鉄道事業者が導入する中で,乗車駅係員の乗降ドア位置の入力誤りや降車駅係員のホームでの待機位置間違いという残存するヒューマンエラーの課題が浮かび上がり,2024(令和6)年8月に乗車位置検知オプションと降車位置誤り防止オプションを追加した.

▲移動制約者ご案内業務支援サービスの概念図
相模鉄道は,これらオプション機能とあわせて導入することで,駅係員が乗降ドア位置付近のホームドアに設置したICタグにスマートデバイスをかざして読み込むだけで,乗車駅側では乗車位置の自動入力と,降車駅側では降車位置の確認が可能となった.これにより,手入力によるミスや待機位置の誤りといったヒューマンエラーの防止を強化している.
また,一連の駅係員間の連絡業務もスマートデバイス上で完結できるほか,計画ダイヤ登録,案内登録時の通知,アラーム設定などの機能により,駅係員の業務効率化と心理的負荷の低減,乗客の安全・安心な公共交通機関の利用を促進する.
今後,相模鉄道は本サービスの運用を進め,乗客の意見や実際に案内対応にあたる駅係員の声を収集し,乗客のさらなる利便性向上と安全・安心な移動環境の実現を目指す.
日立は,鉄道事業者のニーズに応えるオプション機能の追加などによる本サービスのバージョンアップを継続するとしている.
画像はすべて日立製作所提供