
写真:南海電気鉄道8300系 松本洋一撮影 住ノ江検車区にて 2015-9-2(取材協力:南海電気鉄道)
南海電気鉄道は,2025(令和7)年度の設備投資計画を発表した.「鉄道事業の持続可能性を高める安全・安定的な輸送基盤の強化」や,バリアフリー対策などの「社会的要請に応えるサービスの高度化」を進めるため,設備投資額は総額約250億円を予定している.

▲新たな観光列車の車内イメージ
※5月15日時点のもので実際は変更になる可能性があります.
車両については,8300系を2025(令和7)年度に12両新造し,以降,2027(令和9)年度までに40両を導入する.
観光列車「天空」に代わる新たな観光列車を,2025(令和7)年度末に運行することを目指す.新たな観光列車は4両編成で,高級感を重視した内装,快適な座席とパノラマビューを楽しめる車窓などを採用するほか,地元の食材を使用した食事の提供も計画している(鉄道ニュース5月16日掲載記事参照).
駅舎の美装化とバリアフリー化については,難波駅中央口リニューアル工事(2期・高野線側),紀ノ川駅(エレベータ整備など),御幸辻駅(ホーム嵩上げなど)を対象に実施する.

▲中百舌鳥駅3番線ホームドア
駅ホームの安全性向上について,中百舌鳥駅1・2番線のホームドア設置に向けた工事に着手する.新今宮駅1番線には転落検知センサを試験導入し,実証試験を開始する.
列車内のセキュリティ向上と犯罪抑制のための車内防犯カメラの導入については,新造する8300系のほか,50000系「ラピート」など計152両に設置する.これにより2025(令和7)年度末には,全車両812両(ケーブルカー含む)のうち,51%の車両(412両)に設置が完了する予定.

▲堺市内(南海本線)高架橋工事のようす
駅ホーム施設更新については,岸里玉出駅の南海本線ホーム上家塗装改修工事を実施する.住吉大社駅と住吉東駅では,ホーム上家葺き替え工事を実施する.
連続立体交差事業について,2024(令和6)年4月に鉄道高架化を完了した「南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業」では,引き続き高架下整備工事などを実施する.
堺市内の「南海本線連続立体交差事業」については,現在,諏訪ノ森—浜寺公園間の一部区間で高架橋工事が施工中であり,石津川—諏訪ノ森間,浜寺公園—羽衣間においても順次基礎工事に着手する.同じく堺市内の「高野線連続立体交差事業」については,引き続き堺市と協力しながら鉄道の詳細設計や準備工事を進める.

▲和歌山港線での自動運転走行試験
自動運転については,2027(令和9)年度に高師浜線で「GOA2.5」自動運転を開始するため,同路線において,「GOA2.5」自動運転に必要な地上設備と車両改造のための詳細設計,機器類などの製造を開始する.ワンマン運転については,将来の全線ワンマン運転化に向けたハードウェア対策計画の策定を進める.
このほか,南海トラフ巨大地震などの今後発生が予測される大規模地震に備えて,駅舎や高架橋柱などの耐震補強を実施する.また防災工事として,橋りょうの洗掘防止対策工事や斜面防災工事を実施する.
一部画像は南海電気鉄道ニュースリリースから