
▲9500系
名古屋鉄道は,「名鉄グループ中期経営計画」(2024年度~2026年度)にもとづき,2025(令和7)年度の設備投資計画を発表した.
鉄道事業では282億円を投資し,駅・車両の快適性・利便性向上を目的として,通勤形車両9500系(4連5本),9100系(2連5本)を新造するほか,2026(令和8)年度以降の竣工に向けて,名古屋本線 東岡崎駅の自由通路の設置にあわせた橋上駅化や,三河線・豊田線 豊田市駅の北口改札の新設などの駅改良工事,小牧線 春日井駅の駅周辺で実施される区画整理事業にあわせた駅改良工事を進める.
犬山線 中小田井駅では,ホームと車両間の段差・隙間の縮小やバリアフリートイレ設置などのバリアフリー化工事を実施する.また,尾西線 奥町駅と三河線 猿投駅で,バリアフリートイレの設置工事を実施するほか,名古屋本線 神宮前駅の改札内トイレをリニューアルする.
電話や駅インターホンなどによる各種お問い合わせ窓口となる「お客さまサポートセンター」では,外国語通訳サービスを利用した三者通話機能などを実装する.定期券発売やクレジット決済対応が可能な新形券売機や,精算機能を追加した新形チャージ機の導入拡大を進める.また,QRコードやクレジットカードなどのタッチ決済による改札通過の実証実験を踏まえ,新形改札機の開発を行なう.
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です.

▲左:知立駅付近の高架化工事/右:喜多山駅付近の高架化工事
安全対策推進と都市計画事業の一環として,名古屋本線・三河線 知立駅付近,瀬戸線 喜多山駅付近,三河線 若林駅付近,尾西線 苅安賀駅付近の高架化工事を引き続き実施するほか,新たに名古屋本線 新清洲駅付近(丸ノ内—大里間/2.8km)での高架化工事を進める.
南海トラフ地震や近年激甚化している豪雨による被害を防ぐため,高架橋柱の耐震補強や変電所の浸水対策工事をより一層進める.名古屋本線 金山駅におけるホームドア実証試験の結果を踏まえて,同駅へのホームドア本格整備に向けた検討の深度化を図る.瀬戸線で実用化に向けた検証を実施している「軌道変位モニタリング装置」について,本運用に向けた検討を進める.このほか,踏切障害物検知装置の更新や,AI画像解析機能を備えた踏切監視システムを導入した踏切の拡大により,踏切道の保安度向上を図る.

▲左:軌道変位モニタリング装置搭載状況/右:軌道変位モニタリング装置
開発事業では,三河線 土橋駅北口付近賃貸マンション計画や,名鉄新一宮駅ビルのリニューアル,東岡崎駅前再開発計画,岐阜エリア開発計画,名古屋駅地区再開発計画に625億円,沿線地域活性化・旅客サービス向上に資するシステム改善,業務効率化に向けたDXの推進に16億円を投資するなど,総額923億円の設備投資を行なう.
写真・画像はすべて名古屋鉄道のニュースリリースから