鉄道ファン2025年6月号(通巻770号)
『鉄道ファン』2025年6月号
2025年4月21日発売
定価1300円(税込)

JR東日本,上越新幹線 新潟駅・長岡駅で顔認証改札機の実証実験を実施

JR東日本E7系

写真:JR東日本E7系  編集部撮影  新幹線総合車両センターにて  2013-11-28(取材協力:JR東日本)

JR東日本は,「ウォークスルー改札」の実現に向けた取組として,上越新幹線の新潟駅と長岡駅に顔認証技術を用いた改札機を設置し,2025(令和7)年秋ごろから実証実験を行なうと発表した.

JR東日本,上越新幹線 新潟駅・長岡駅で顔認証改札機の実証実験を実施

▲設置される改札機のイメージ(左:新潟駅 日本電気製/右:長岡駅 パナソニック コネクト製)

 実証実験では,2種類の顔認証改札機を導入する.新潟駅(新幹線東改札)に設置される顔認証改札機は日本電気製で,既設の新幹線改札機に顔認証改札機を被せるタイプとする.長岡駅(新幹線改札)ではパナソニック コネクト製の顔認証改札機を新設する.
 実験における評価項目は,改札機における顔認証技術そのものの精度確認や機器設置環境(照度,カメラ角度,温湿度環境など)に関する実証確認,改札機を通過する「歩行者の速度」・「カメラと歩行者の距離」・改札機と顔認証センサの連動確認などを確認する.
 実証実験の詳細やモニターの募集方法などについては,2025(令和7)年夏ごろに詳細が案内される予定.モニター登録は,2025(令和7)年夏ごろに長岡駅で受付を予定しており,新潟—長岡間の新幹線定期券保持者に顔写真の撮影,登録,同意書へのサインを求める.
 2025(令和7)年秋ごろからは,モニターが実際に新潟駅と長岡駅の改札の入出場時に,顔認証改札機を通過する.なお,燕三条駅には顔認証改札機は設置されないため,顔認証による入出場はできない.

JR東日本,上越新幹線 新潟駅・長岡駅で顔認証改札機の実証実験を実施

▲新潟駅(左)と長岡駅での顔認証改札機設置場所

 新幹線においては,今回の実証実験の結果を受け,今後顔認証による実証実験の対象を拡大していく.例として,「大人の休日倶楽部」といった特定会員を対象とした実証実験を行ない,その後「新幹線eチケット」購入者を対象とした実証実験を行なうとともに,対象の拡大にあわせてエリアの拡大も検討していく.
 なお,ウォークスルー改札の実現に向けては,顔認証以外にもさまざまな方式を検討しており,2027(令和9)年春ごろには顔認証以外の技術を活用して在来線で実証実験を行ない,今後10年以内にウォークスルー改札の実現を目指す.

一部画像はJR東日本提供

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