
熊本県とJR九州は,「令和2年7月豪雨」の影響で普通となっている肥薩線のうち,八代—人吉間について,鉄道での復旧に合意し,両者との間で最終合意書を取り交わしたと発表した.
これは,2024(令和6)年4月4日(木)付で締結した「JR肥薩線(八代~人吉間)の鉄道での復旧に関する基本合意書」にもとづき,熊本県とJR九州で合意した内容を記載したもの.運転再開目標は2033(令和15)年度で,肥薩線復旧費を約235億円としている(第10回「JR肥薩線検討会議」における会議資料から/2025年2月開催).
復旧については,2025(令和7)年から復旧に着手するとともに,復旧区間における鉄道事業に必要な鉄道施設の復旧工事についてはJR九州が実施する.あわせて,復旧工事は,国の事業間連携により施工される部分を除き,「鉄道軌道整備法に基づく激甚災害等に係る災害復旧事業に係る補助制度(事業構造変更による嵩上げ)」を最大限活用する.
対象区間の駅については,被災前の利用状況や将来の利用見込などを踏まえ,段・坂本・葉木・鎌瀬・吉尾・白石・球泉洞・一勝地・渡・西人吉・人吉の計11駅を再開対象とする.駅の形状などについては,今後協議を行ない決定する.
JR九州は,復旧区間の鉄道事業に必要かつ所有する用地と鉄道施設などを復旧したのち,営業運転再開までに熊本県が指定する「第三種鉄道事業者」などに無償で譲渡する.また熊本県などは,復旧区間の鉄道施設などを保有し,JR九州は,別途協議するものを除き,復旧区間の運行に必要な車両を保有する.なお財産に係る費用については,別途協議するものを除き,それぞれが負担する.
鉄道復旧後の復旧区間の運営は,熊本県を含む地元自治体(地元自治体が設立する法人も含む)を鉄道事業法に定める「第三種鉄道事業者」,JR九州を「第二種鉄道事業者」とする「上下分離方式」を採用する.なお,JR九州は,熊本県などが保有する鉄道施設などを無償で借り受け,復旧区間の運行を行なう.
両者は,営業運転再開までに運転再開後10年間における各年度の復旧区間の収支目標を設定し,運転再開後は毎年度,設定された収支目標に対する実績の評価と検証を行なう.利用促進については両者が連携・協力し,「JR肥薩線復興アクションプラン」を進めるとしている.
写真:JR九州 キハ47形「かわせみ やませみ」 編集部撮影 小倉総合車両センターにて 2017-2-27 編集部撮影(取材協力:JR九州)
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