
JR東日本高崎支社は,2025(令和7)年8月から「センターサーバー方式」を採用した新しいSuica改札システムを導入すると発表した.
高崎支社管内の導入計画では,8月に神保原駅から新しい自動改札機の導入を開始し,2025(令和7)年度に20駅84通路,2026(令和8)年度に14駅52通路,全34駅136通路を完了させる予定.
なお,群馬県内では2025(令和7)年8月に群馬藤岡駅から,栃木県内では同10月に佐野駅から導入を開始する.

導入に際し,自動改札機用直立式運搬台車「Kai-Un(カイウン)」を開発した.「K:改札機を・a:安全に・i:移動させる・Un:運搬台車」として「Kai-Un」と名付けられた.
自動改札機の取替工事では,とくに橋上駅で機器本体を運搬する際の階段昇降に労力がかかることや,重量物を運搬する作業者の身体的負担が課題となっており,機器が横向きのままではエレベータに乗せることができなかった.そこで高崎支社社員の発意から,自動改札機を立てた状態にすることでエレベータに乗せることが可能となることに着目し,「Kai-Un」が開発された.なお,商品化は2025(令和7)年7月を予定している.

設計と試作を繰り返して製作した試作品は,自動改札機を直立させる際の「持ち手」位置や,機器への損傷を防ぐための安定性・緩衝性の確保などに工夫を重ねた.
その後,高崎駅でのエレベータを使用した運搬試験や,横浜線相模原駅での実際の自動改札機取替工事の一部で本使用するなどの検証を行ない,これまで1台あたり約20分を要していた運搬作業時間を約10分に半減しつつ,身体的負担も大幅に軽減できることが確認された.
開発された「Kai-Un」は,2025(令和7)年9月に予定されている吹上駅での自動改札機取替工事で実運用を開始する.なお,栃木県内では2025(令和7)年10月に佐野駅,群馬県内では2026(令和8)年1月に駒形駅でそれぞれ運用を開始する.
画像はすべてJR東日本高崎支社ニュースリリースから