鉄道ファン2025年5月号(通巻769号)
『鉄道ファン』2025年5月号
2025年3月21日発売
定価1300円(税込)

東急池上線 千鳥町駅の「木になるリニューアル」に着手

東急池上線 千鳥町駅の「木になるリニューアル」に着手

▲五反田方面ホーム屋根 イメージパース

東急電鉄は,池上線の千鳥町駅において,2025(令和7)年3月26日(水)から,木材を活用した駅リニューアル工事「木になるリニューアル」に着手すると発表した.

 本事業では,駅舎開業から約100年が経過した千鳥町駅において,ホーム屋根の建替え・延伸や駅舎内外装,旅客トイレのリニューアルなどにより,安全性・快適性や環境性能の向上を図る.また,木材を活用したリニューアルによって,親しみやすく温かみが感じられる駅づくりを進める.
 千鳥町駅の旅客トイレリニューアルについては,多機能トイレとは別に,男女トイレ内にもベビーカーが入れる広さを備えたブースを設置し,おむつ替えスペースを整備することで,乳幼児を連れた利用者にも利用しやすい設計とする.
 竣工は,2026(令和8)年秋ごろの予定.

東急池上線 千鳥町駅の「木になるリニューアル」に着手

▲池上線での「木になるリニューアル」実施駅(左から戸越銀座駅・旗の台駅・長原駅)

 東急電鉄はこれまで,池上線の戸越銀座駅・旗の台駅・長原駅において「木になるリニューアル」を実施し,東京都多摩地区で生育・生産される木材「多摩産材」を活用することで地産地消に取り組んできた.
 新たに着手する千鳥町駅では,「多摩産材」に加え,東急(株)と2023(令和5)年4月に包括連携協定を締結した秋田県で生産される木材「あきた材」を取り入れることで地産都消にも取り組み,ホーム側壁の一部には秋田県の伝統技術を活かしたアートウォールも設置する予定.「あきた材」の活用にあたっては次の100年にも配慮し,駅の構造材としての役割を終えた後も分解して再利用しやすい設計としている.
 また,既存の駅舎に利用されてきた古材(えきもく)については,利用しやすい建材・インテリアグッズなどに加工して「ステーションウッド」として販売するなど,資源の再循環にも取り組んでいく.

画像はすべて東急(株)提供

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