京王電鉄は,2025(令和7)年春から,井の頭線全線(12.7km)で自動運転の実証試験を開始すると発表した.
京王電鉄では,少子高齢化や働き方改革などにより鉄道事業を取り巻く環境が変化する中,ホームドアの整備や自動列車制御装置(ATC)導入など,乗客の安全確保と地域社会の課題解決に取り組んできた.
本試験は,自動運転システムの安全性・安定性と自動運転時に乗務員が行なう作業の課題抽出を目的としており,より高度な安全・安心に向けて,運転操作全般(加減速)を自動化し,均質な運転を行なうことで,定時性向上と省エネ効果を検証する.試験車両には1000系を使用し,回送列車で運転士と車掌が乗務した状態で,昼間・夜間ともに試験を実施する.
また,駅停車時に使用する定位置停止装置(TASC)で停車精度を向上させ,ホームドア設置計画へ対応していく.なお,定位置停止装置(TASC)は,駅停車時に停止位置目標へ自動的にブレーキをかけて正確な位置に停車させる装置である.
なお,本試験の結果を京王線での自動運転化にも活用する.実証試験や自動運転設備の詳細については,きまり次第,発表される.
一部画像は京王電鉄提供