JR東日本は,首都圏主要線区でワンマン運転を実施すると発表した.
首都圏主要線区では,2030(令和12)年ごろまでにワンマン運転を実施する計画としており,第1弾として2025(令和7)年春から,常磐線各駅停車の綾瀬—取手間(10両編成),南武線の川崎—立川間(6両編成)を対象に実施する.
また,2026(令和8)年春からは,横浜・根岸線の八王子—大船間(8両編成)を対象に導入する.なお,東神奈川—大船間は,横浜線のE233系8両編成のみでワンマン運転を実施する.
その後は2030(令和12)年ごろまでに,山手線,京浜東北・根岸線,中央・総武線(各駅停車),埼京・川越線においても準備を進め,順次ワンマン運転を実施する予定としている.
ワンマン運転実施にともなうおもな取組として,乗降確認モニタによる発車時の安全確認を行なう.運転士は,運転席に設置した乗降確認モニタで,すべてのドアの乗り降りの状況を一目で確認することができ,より安全に列車のドアを閉めることができる.
あわせて,首都圏在来線でのホームドア整備を進める.
列車内で非常事態が発生し,乗客が非常通報装置(SOSボタン)を押した後,運転士が応答できない場合には,輸送指令室に直接つながり,乗客が輸送指令員と会話ができる.輸送指令員は,乗客の状況を把握した上で,速やかに必要な手配を行なう.
運転士が車内放送できない状況にある時など,輸送指令室から車内放送を行ない,乗客にタイムリーな情報を伝える.
万一,列車の外に避難が必要になった場合に使用する避難はしごを,列車の最前部と最後部に整備する(常磐線各駅停車は,乗務員室内).必要により乗客自身で使用できるように設置しているが,避難時は,近隣の駅などから係員を派遣するなど安全に配慮した手配を行なう.
さらなる安全性向上のための技術開発として,輸送司令室で列車内のリアルタイム映像が確認できる機能の導入を目指す.
これは,列車内で非常事態が発生した場合に,車内の状況をいち早く把握し適切な対応を行なうことを目的として,非常通報装置が扱われると輸送指令室にアラームが鳴動し,車内防犯カメラのリアルタイム映像が確認できる機能で,山手線1編成に試験導入し,検証を進めている.2025(令和7)年度から山手線への導入を目指す.
乗務員の運転支援と将来のドライバレス運転を見据えた安全確保手段として,車両前方に搭載したカメラの画像から,列車が走行する線路内の障害物をリアルタイムで検知するシステムの開発を進める.現在,京浜東北・根岸線の車両に搭載して走行試験を実施しており,引き続き開発を進め,早期導入を目指す.
一部画像はJR東日本提供