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特集 新幹線最前線2025
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JR東海,新幹線車両の外観検査システムを開発

JR東海,新幹線車両の外観検査システムを開発

▲外観検査装置

JR東海は,新幹線車両が車両基地や駅に入るタイミングで,車両の外観を自動で検査するシステムを開発したと発表した.

 これは,将来の労働力人口減少を見据えた業務改革の一環として開発したもの.東海道新幹線では,全車両の外観や機能の検査をおおむね2日以内の頻度で実施しており,中でも外観の検査は,社員が全長400mの車両の屋根上と床下を徒歩で目視や計測器具を用いて実施しているため多くの労力を要している.
 システムは「外観検査装置」と「パンタグラフすり板検査装置」から構成されている.外観検査装置は,車両基地の検査庫入口に車両全体を取り巻くようにカメラやセンサを配置し,約10km/hで入庫する車体や床下機器などの外観を自動で撮影し,異常の有無を検知する.
 新幹線車両の外観全体を自動で検査する国内初の技術で,ボルトのわずかな緩みを精度良く検知する技術(特許出願済)など,本装置の解析プログラムはJR東海が独自に開発した.

JR東海,新幹線車両の外観検査システムを開発

▲パンタグラフすり板検査装置の設置イメージ

 パンタグラフすり板検査装置は,駅の線路の真上に検査装置を設置し,駅に入る車両のパンタグラフすり板の形状を自動で計測する.70km/hで走行する新幹線車両のすり板を,自動で高精度に検査できる国内初の技術(特許出願済)を開発したことで,駅への設置が可能となっている.これにより,発着するすべての車両のすり板の状態や厚さなどを,少ない台数で高頻度に把握できる.
 今後は,2024(令和6)年度に外観検査装置を大井車両基地に,パンタグラフすり板検査装置を品川駅へそれぞれ設置し,営業車両での検証を進め,最適な仕様を検討していく.その後設置工事の期間を経て,本格的な運用開始は2029(令和11)年度ごろを目指す.
 なお,外観検査装置は,NTTデータ東海と日本車輌製造の協力のもと開発した.パンタグラフすり板検査装置は,日立製作所の協力のもと開発した.

画像はすべてJR東海ニュースリリースから

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