京成電鉄は,2024(令和6)年度,鉄道事業において総額243億円の設備投資を実施すると発表した.
車両については,編成車両数が変更できる新形車両「3200形」を導入する(鉄道ニュース5月20日掲載記事参照).
空港輸送に関連し,成田空港の機能強化にあわせた空港アクセスの強化として,宗吾車両基地拡充工事計画における新工場建設工事を進める.
駅のバリアフリー化については,駅ホームからの転落や列車との接触による事故を防止するため,京成高砂・青砥・鬼越の各駅にホームドアを設置する.勝田台駅では南口エレベータの設置工事が2024(令和6)年度内に完了するほか,新千葉駅のエレベータやスロープ,バリアフリートイレの整備を引き続き進める.大森台駅では,エレベータやバリアフリートイレの整備に着手する.
駅施設については,市川真間駅や京成中山駅のリニューアル工事が2024(令和6)年度内に完了するほか,青砥駅などのリニューアル工事を引き続き進める.また,実籾・公津の杜の各駅でトイレをリニューアルする.
環境負荷の低減を図るため,各駅構内や車内照明のLED化を進める.
押上線葛飾区内(四ツ木—青砥間)で行なわれている連続立体交差事業については,仮下り線の工事を進める.沿線地域防災への取組として,国の荒川下流特定構造物改築事業となっている京成本線荒川橋梁架替工事を,事業完了に向けて引き続き進める.
駅や車内安全対策の強化では,駅ホームにおける老朽化対策の一環として,宗吾参道駅で改修工事を実施する.また,テロなどの危険行為に対応するため,通勤形車両車内への防犯カメラの設置を進める.
大規模地震への対策として,京成佐倉駅などのホーム上家,千葉寺—ちはら台間の高架橋柱などの耐震化を引き続き実施する.集中豪雨などにより法面(線路脇斜面)の土砂が流出することを防ぐため,京成成田—空港第2ビル間などの法面補強工事を引き続き実施する.
このほか,日暮里変電所の設備機器や青砥駅の転てつ機・信号機を安全に連動させる装置の更新を図るほか,線路の下に撒く砕石の厚みを増す工事や,軌道変位が生じにくいマクラギ(ラダーマクラギ)への交換などを実施し,運転保安度の向上と乗り心地の改善を図る.また,自動券売機や自動改札機などの駅務機器を更新する.
画像はすべて京成電鉄提供