JR東日本では,東京駅構内・駅周辺の整備・開発の一環として,2024(令和6)年5月から南通路周辺整備に着手すると発表した.
これは,2022(令和4)年3月に着手した南部東西自由通路の新設工事とあわせて行なうもので,約9500㎡の新たな空間を創出することで,南通路の拡幅やバリアフリー機能の強化などによる駅の利便性・快適性の向上,にぎわいのある魅力的なエキナカ施設の展開を行なう.全体完成時期は,2031(令和13)年度冬を予定している.
丸の内南口と八重洲南口の改札内を結ぶ南通路は,大きな手荷物を持った利用客が多く混雑しているため,通路幅員の拡幅と天井を高くすることで,明るく開放感のある通路に改良する.また,コンコースを直線化することで見通しを改善する.
中央通路南側では,エレベータの新設や大形化を行なうとともに,南通路に段差対応スロープを新設することで,車いす利用者や大きな手荷物を持った国内外の利用客,ベビーカー利用者などがスムーズに移動できる環境を整備する.
地下1階と1階には,吹抜けのあるシンボリックな空間に隣接する待合広場(合計約300㎡)を整備する.待合機能を強化することで,改札内で滞在する利用客の着席ニーズに応えるとともに,日本各地の魅力を伝える情報の発信やイベントなどを行なう.また,地下1階の待合広場周辺では改札内トイレ(多機能トイレ含む)や手荷物預かり所を整備し,駅サービス機能の向上を図る.
南通路周辺の1階既存店舗を拡大・リニューアルするとともに,新たに生み出される地下1階のスペースに店舗を設置する.1階では,乗換客のニーズを満たすとともに,新たな出会いや発見のある店舗展開を行なう.また,地下1階の吹抜空間周辺では,待合広場の周囲に飲食店舗を設置するとともに,日本各地の魅力が感じられる情報発信などを行なうことで,非日常感を味わいながらゆったり過ごせる空間を創出する.
なお,本工事にともない,南通路周辺の店舗は順次営業を終了する.エキュート東京については段階的に店舗を閉店し,2024(令和6)年8月ごろに全店舗の営業を終了する予定.
2029(令和11)年ごろに暫定供用開始を予定している地下1階の南部東西自由通路周辺に店舗などを新設し,自由通路のにぎわい創出を図る.
画像はすべてJR東日本提供
※パース・図は2024年5月時点でのイメージであり,実際とは異なる場合があります.