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日立,鉄道車両製造のノウハウを活かした鉄道車両メンテナンス向け「Train Maintenance DX as a Service」サービスを開始

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日立,鉄道車両製造のノウハウを活かした鉄道車両メンテナンス向け「Train Maintenance DX as a Service」サービスを開始

日立製作所は,笠戸事業所(山口県下松市)で培った鉄道車両製造におけるデジタル活用のノウハウを活かし,鉄道事業者の車両メンテナンスの作業環境の改善と品質の向上を実現する,業界初のサービス形(as a Service)ソリューション「Train Maintenance DX as a Service」の提供を開始すると発表した.

 これは,ハードウェアのみならず,笠戸事業所で成果を出したチームビルディング・生産改善DXのノウハウとITソリューションを活用できることが特徴で,サービス導入後は,作業効率と品質の向上が継続的に行なわれることで,鉄道事業者の作業現場のチームワークとモチベーションの向上を図る.
 日本の鉄道業界では,少子高齢化による労働人口の減少や雇用流動性の高まりなどにより,車両メンテナンスを始めとする鉄道オペレーションに関わる人財の確保が大きな課題となっている.また,現在の各鉄道事業者の作業現場では,紙主体の進捗管理やOJT(On the Job Training)主体の技術教育が中心であり,作業環境を共有しながら効果的かつ効率的に技術伝承を行なうことが困難な状況となっている.現場の作業改善努力も見えにくいため,従業員のモチベーションへの影響も懸念されている.
 「Train Maintenance DX as a Service」は,車両メンテナンスを担う現場チームの効率とパフォーマンスを高め,従業員が高いモチベーションで働ける環境づくりを支援し,鉄道オペレーションに関わる人財確保と,現場の作業効率と品質の向上という,双方の課題解決を図る.

日立,鉄道車両製造のノウハウを活かした鉄道車両メンテナンス向け「Train Maintenance DX as a Service」サービスを開始

 笠戸事業所でも,鉄道製造現場における労働環境とチーム内の業務状況の共有(見える化)が課題であり,生産現場における全体最適化の取組を進め,チームワークとモチベーションを向上させるチームビルディング・プラットフォームを構築してきた.これにより,導入以前はチームや個人に委ねられていた作業環境の共有(見える化)をすることで,作業遅延や急な欠員などが発生しても,速やかにチーム内で対策を検討・実施できるようになり,従業員の安全とモチベーションの向上という効果が認められた.「Train Maintenance DX as a Service」は,このプラットフォームを車両メンテナンス向けに発展させたもので,同じく鉄道車両事業を担う笠戸事業所だからこそ理解できる,鉄道事業者の現場の問題意識やニーズに応えるサービスとなっている.
 鉄道事業者でも本チームビルディング・プラットフォームを活用することで,各鉄道事業者が独自に積み上げてきた技能やノウハウが多い現場の作業環境を見える化し,現場チームのコミュニケーション活性化とモチベーションの向上につなげることができる.
 さらに,日立の車両製造における3D図面を活用した車両メタバースの取組や,AIによる部品故障や劣化の自動検査技術などもあわせて導入することで,鉄道事業者の車両メンテナンスの一層の品質や効率の向上,技能向上・継承を実現する.

画像はいずれも日立製作所提供

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