JR東日本は,2023(令和5)年度から「センターサーバー方式」を採用した新しいSuica改札システムを導入し,Suica 共通基盤化を図ると発表した.
これまでICカードの運賃計算などの処理は改札機で実施していたが,新システムでは改札機とネットワーク通信を経由してすべてセンターサーバで実施する.なお,新システムを導入した改札機ではSuica利用方法について変更はない.
新システムは,2023(令和5)年5月27日(土)から北東北3エリア(青森・盛岡・秋田)の45駅に導入する.首都圏・仙台・新潟エリアについては,2023(令和5)年夏以降に順次導入を進める.
新システムの特徴として,高速なサーバと通信ネットワークにより,首都圏の鉄道利用に求められる高速処理に対応する.サーバ台数の変更や他サーバシステムとの連携などにより,サービス機能の拡張性が向上するほか,現行の改札機と比較して,処理スピードが速くなり,複雑な計算処理が可能となる.また,将来の機能向上などの改修作業において,工期短縮が図られ,コストダウンにつながるとしている.
Suicaサービスの将来像としては,新システムや鉄道チケットシステムの導入で,これまでのSuicaサービスを革新するプラットフォームを整備する.これにともない,これまでの「Suicaが1枚あれば誰でもタッチするだけで手軽に利用できる」というサービスに加えて,「新しいSuicaサービス」の提供の実現を目指す.
「新しいSuicaサービス」では,現在は利用できないSuicaエリアをまたいだ利用や,鉄道チケットシステムの導入により実現できるサービスとして,鉄道における柔軟なSF割引商品の提供,生活サービスと移動を融合した商品の提供,MaaSとの連携によるワンストップでシームレスな移動の提供などが可能となるとしている.なお「新しいSuicaサービス」の内容および開始時期は,詳細が決まり次第,別途発表される.
画像はいずれもJR東日本提供