JR九州では,2020(令和2)年12月から実施している「GoA2.5」自動運転を目指した香椎線での自動列車運転装置実証運転の知見をもとに,運転士操縦支援を目的とした「自動列車運転支援装置」を新たに開発し,これを使用した列車の走行試験を鹿児島本線で実施すると発表した.
本装置は,運転士のボタン操作後,駅出発から駅停止まで列車の加減速制御を自動で行なう.また,運転士による臨機応変な手動介入(回復運転など)が可能である一方で,駅停止制御や制限速度や停止信号に対する減速は手動介入後も本装置が行なう.
また既設の「GoA2.5自動運転」を目指した自動列車運転装置をベースとしながら,車上の本装置にデータベースを保有することで,地上設備増設を原則不要とするとともに車上設備簡素化を目指す.
運転士の走行実績(経済性,快適性,定時性を兼ね備えた走行ログ)をもとに,理想的な走行を実現し消費電力削減や乗り心地向上を図る.
走行試験は一般客を乗せない状態で,2023(令和5)年3月から不定期で昼間に実施する.対象区間は,鹿児島本線の赤間—久留米間(67.4km)で,試験にはBEC819系「DENCHA」を使用する.なお,同一路線における「GoA2.0」実施区間長としては日本最長となる.
今後は2023(令和5)年度末までに,本装置を用いた営業列車における実証運転を目指す.
一部画像はJR九州ニュースリリースから