東京地下鉄(東京メトロ)では,2025(令和7)年度から丸ノ内線において,自動運転の実証試験を行なうため,2023(令和5)年4月から試験準備を進めると発表した.
これは,少子高齢化や働き方改革など,社会環境が変化する中で,事業の継続と安全・安心な輸送サービスを提供していくためには,輸送システムの変革が必要であるとし,その一環として実験を行なうもの.丸ノ内線は10年を超えるワンマン運転の運行実績があり,無線式列車制御システム(CBTC)を導入するため実験路線として選ばれた.
実験では,1991(平成3)年の南北線開業以来,改良を積み重ねてきた列車自動運転技術とワンマン運転の運行管理ノウハウに加え,2024(令和6)年度に丸ノ内線へ導入予定のCBTCの技術を活かし,車掌が列車の先頭車両に乗務する自動運転(自動化レベル:GoA2.5)の実現を目指す.車掌が先頭車両に乗務することにより,通常の車掌業務に加え,緊急停止の処置や駅間での急病人の発生など緊急事態に対してもこれまでどおり適切に対応するとしている.
今後の具体的な取組として,2023(令和5)年4月から実証試験に用いる車両の仕様検討,自動列車運転装置(ATO)の高機能化を進める.2025(令和7)年度からは,営業運転終了後に実証試験を行なう.
一部画像は東京地下鉄(東京メトロ)提供