JR東海は,鉄道駅におけるバリアフリー設備の整備と更新を進めるため,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定と整備計画を定め,国土交通省中部運輸局に提出したと発表した.
同社ではこれまでに,エレベータなどの段差解消設備,発車標,放送装置,情報ボードなどの案内設備の設置も進めてきた.
今後のバリアフリー整備計画は,2030(令和12)年度までを計画期間とし,料金収受エリア内において,国の定める整備目標を踏まえつつ,利用の多い駅からホーム可動柵(5駅16番線)の設置を進める.あわせて,ホーム可動柵・エレベータなどのバリアフリー設備の更新と維持管理を行なう.総整備費は約305億円を見込んでいる.
なお,ホーム可動柵については,2022(令和4)年12月(予定)に東海道新幹線の新大阪駅20番線で稼働を開始すると,品川駅22番線を除く“のぞみ”停車駅全ホームへの設置が完了する(“のぞみ”停車駅以外では,熱海駅に設置).在来線では,金山駅3・4番線(東海道本線)にホーム可動柵の設置を完了しており,名古屋駅では,2023(令和5)年7月から6番線(東海道本線 下り),2024(令和6)年6月から5番線(同下り)での使用開始に向け,設置工事が進められている.
現行運賃への加算額については,在来線(名古屋地区)の東海道本線 豊橋—大垣間,中央本線 名古屋—多治見間,関西本線 名古屋—四日市間,武豊線 大府—武豊間の各駅相互区間と,東海道新幹線の東京—品川間(フレックス定期券のみ東京・品川—新横浜間),名古屋—岐阜羽島間,京都—新大阪間の各駅相互区間を対象とする.普通旅客運賃(大人)では10円,定期旅客運賃(通勤)では1ヵ月300円,3ヵ月900円,6ヵ月1800円を加算し,バリアフリー設備の整備費に充てる.なお,通学定期旅客運賃は対象外とし,小児旅客運賃は,鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人の半額とする.料金収受は,2023(令和5)年4月1日(土)から名古屋地区・関西地区で,2023(令和5)年3月ごろから東京地区でそれぞれ開始する予定.
一部写真はJR東海ニュースリリースから