東洋ステンレス研磨工業は,JR九州のD&S列車「ふたつ星4047」の外装に「ゴールドチタンミラー」,内装に「3Dステンレス リップルスパネル」が採用されたと発表した.
このプロジェクトは大手と中小の垣根を超え,九州への強い思いで挑んだプロジェクトとし,九州を主力製造拠点のひとつとしている日本製鉄が,地元九州の先端素材として,設計監修を担当したドーンデザイン研究所・水戸岡鋭治氏にチタンを紹介したことがきっかけとなった.また,チタンの魅力を最大限に引き出すパートナーとして,日本製鉄と東洋ステンレス研磨工業が連携し,両社の最新技術の粋を集めた提案を,水戸岡鋭治氏とJR九州に行ない実現した.
チタンは上工程から最終工程まで複数の会社が関係するが,上工程を東邦チタニウム(若松工場),下工程を日本製鉄(九州製鉄所),最終工程を東洋ステンレス研磨工業と,すべて九州の関連拠点でまとめられている.
「ふたつ星4047」の走行区間は海岸線ということもあり,海塩粒子の影響が多く出てくることが予測されたため,海水への絶対耐性を持つチタンをミラー加工し,IP加工(イオンプレーティング加工)によるゴールドでさらに蒸着した耐久性と機能性,意匠性を兼ね備えた黄金色のライナー素材を提案し,車体外装への採用に至った.また,チタンの比重は4.51と非常に軽量で比強度が高いことから,軽量で強靭な金属部品であり,自然環境の中を疾走する車両には適した金属特性であることも重要な要素とした.
内装のBARカウンターには,同じく地元九州で加工を施し,日鉄ステンレスのステンレス母材を用いた,「3Dステンレスパネル リップルス」が使用されている.ステンレス鋼のミラー加工は非常に解像度が高く,3Dによる海の波のゆらめきテクスチャーは美しい写り込みを可能とし,素敵な車両の内装を写し込み幻想的な印象を感じることができる.