鉄道・運輸機構(JRTT)は,北陸新幹線敦賀延伸にともない開業する加賀温泉・芦原温泉・越前たけふの3駅について,最後の工程である内装工事を終え,各駅舎の建築工事が完了したと発表した.引き続き,設備(電気・機械)工事を進める.
加賀温泉駅は,相対式2面4線でホーム延長は312m,駅舎の高さは約23m,駅舎の幅は約32.5m.加賀市からのデザインコンセプト「加賀の自然と歴史,文化を見せる駅」をもとに,温泉郷の風情と城下町の歴史を感じさせる駅を目指して建設が進められた.
コンコースには加賀特有の赤瓦を待合室に採用し,柱には県産木材を使用することで,加賀温泉らしさを演出している.また,山中漆器の挽きのイメージが壁上部に施されている.ホームは,外観の格子のイメージを取り入れることや,待合室などの庇を木調とすることで,加賀温泉の落ち着きとくつろぎを感じられる空間とする.
芦原温泉駅は相対式2面2線で,ホーム延長は312m,駅舎の高さは約27m,駅舎の幅は約25m.あわら市からのデザインコンセプト「あわらの大地に湧き出る贅の駅」をもとに,あわら温泉の癒しと旅情が漂う駅を目指して建設が進められた.
コンコースは温泉街らしい和の趣のある空間とし,中央部には柔らかな間接照明を施した折上げ天井をデザインすることで,暖かみのある室内空間を演出している.ホームは,外壁側に木調の落ち着いたイメージの日除けを設置し,待合室は温泉街らしさをイメージしたデザインとしている.
越前たけふ駅は相対式2面4線で,ホーム延長は312m,駅舎の高さは約21m,駅舎の幅は約35m.越前市からのデザインコンセプト「伝統・文化を未来につなぐシンボルとしての駅」をもとに,コウノトリが飛翔する未来への道標となる駅を目指して建設が進められた.
コンコースは中央部の天井に越前和紙の技法である「流し漉き」の動きをダイナミックに表現した和紙照明を設置し,全体を落ち着いた色調でデザインしている.ホーム空間は,外観デザインとあわせたモノトーン調とし,待合室は地域の伝統・文化が感じられるような格子戸・白壁をあしらったデザインとしている.
写真はいずれもJRTT鉄道・運輸機構提供