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大阪市高速電気軌道,「鉄道バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

大阪市高速電気軌道30000系

写真:大阪市高速電気軌道30000系  松本洋一撮影  西中島南方にて  2018-4-1

大阪市高速電気軌道は,持続的にバリアフリー設備の整備と更新を進めるため,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定と整備計画を定め,国土交通省近畿運輸局に提出したと発表した.

 大阪市高速電気軌道の路線では,1933(昭和8)年の御堂筋線(梅田—心斎橋間)開業時にエスカレータが設置され,1980(昭和55)年に開業した谷町線喜連瓜破駅では,国内の地下鉄駅で初めてのエレベータが設置されるなど,バリアフリーという言葉が一般的ではないころから先駆的に,エレベータやエスカレータの整備が行なわれてきた.
 その後も,大阪市交通局では,「エレベータ・エスカレータ整備5か年計画」(1991年度〜)や「市営交通バリアフリー計画」(2002年度〜)などにもとづき整備を進め,2010(平成22)年度には,地上からホームまでのバリアフリー経路の整備を全国の大手鉄道会社に先駆けて全駅で完了し,大阪市高速電気軌道でも,現在,さらなるバリアフリー経路の複線化となるエレベータ整備に取り組んでいる.
 可動式ホーム柵については,ニュートラムへのホームドア設置を除き,2006(平成18)年開業の今里筋線をはじめとし,順次整備を進めている.

大阪市高速電気軌道80系

写真:大阪市高速電気軌道80系  松本洋一撮影  鶴見検車場にて  2019-2-21

 今後のバリアフリー設備の整備については,2025(令和7)年度末までに可動式ホーム柵の全駅設置完了に向け,堺筋線,四つ橋線,中央線,谷町線において整備を進めるほか,2026(令和8)年度末までにホームかさ上げと,くし型ゴムの全駅設置完了を目指す.利用の多い御堂筋線の車両についても,低床化による段差解消を目的に更新を前倒しで進める.
 エレベータは,現状のバリアフリー経路では大幅なう回が必要となっている駅で,バリアフリー経路を複数ルートに増やす.エスカレータは,利用の多い御堂筋線と中央線を優先し,改札階から地上間や乗換経路などを中心に整備を進める.
 全駅で改札口やホーム階段部の音案内設備やサービス情報表示器の整備に取組み,聴覚や視覚により施設・各種情報を案内する設備を充実させる.
 現行運賃への加算額は,全路線を対象に,大人旅客運賃では10円,通勤定期旅客運賃では1ヵ月380円・3ヵ月1080円または1090円,6ヵ月2050円または2060円とし,バリアフリー設備の整備費に充てる.大人旅客運賃にもとづき,各種回数券,団体乗車券,1日乗車券にも加算する.なお,通学定期旅客運賃は対象外とし,小児旅客運賃は,鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人旅客運賃の半額とする.料金制度の活用は,2023(令和5)年4月1日(土)からの予定で,鉄道駅バリアフリー料金を加算した運賃に関する詳細は,大阪市高速電気軌道のページに掲載されている.

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