山陽電気鉄道は,持続的にバリアフリー設備の整備と更新を進めるため,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定と整備計画を定め,国土交通省近畿運輸局に提出したと発表した.
山陽電鉄ではこれまでに,エレベータやスロープの設置など,段差の解消を中心とした駅バリアフリー設備の整備を進めてきた.このうち1日あたりの平均利用者数が3000人以上の駅については,すでに整備が完了している.
引き続きエレベータやスロープの新設,ホーム改良による段差・隙間の縮小などの整備を進め,移動円滑化を図る.また,バリアフリートイレの整備を進める.さらに,利用の多い駅を中心に設置されている22駅53基のエレベータ,6駅13基のエスカレータについては安全性・機能性の維持・向上のため,更新工事を順次実施する.
バリアフリー施設を整備するための費用は、2021(令和3)年から2030(令和12)年度にわたり,58億円(税抜)を超える見込みとしている.現行運賃への加算額については,山陽電車全線を対象に,大人運賃では10円,通勤定期では1ヵ月360円・3ヵ月1020円または1030円,6ヵ月1940円または1950円を加算し,バリアフリー設備の整備費に充てる.なお,通学定期は対象外とし,小児運賃は,鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人運賃の半額(端数切り上げ)とする.料金制度の活用は,2023(令和5)年4月1日(土)からの予定で,料金の詳細については,後日改めて発表する.
一部写真は山陽電気鉄道ニュースリリースから