JR東日本,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの実証試験を開始

JR東日本,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの実証試験を開始

JR東日本は,中央本線穴山変電所に鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの試験設備が完成し,その実証試験を開始したと発表した.

 同社では「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」の達成に向け,「つくる〜送る・ためる〜使う」のエネルギーネットワークのすべてのフェーズで技術イノベーションを進めている.このうち「ためる」のフェーズにおいて,電車のブレーキ時に発生する回生電力エネルギーを有効に活用するため,蓄電媒体を導入しており,そのひとつとして超電導技術を活用したフライホイール蓄電システムの開発を,JR東日本研究開発センター環境技術研究所で取り組んでいる.
 本開発では,山梨県と公益財団法人鉄道総合技術研究所が2018(平成30)年3月に締結した超電導フライホイール技術に関する基本合意にもとづき,連携した取組を進めている.

JR東日本,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの実証試験を開始

 電車のブレーキ時に発生する回生電力エネルギーは,架線を介してほかの列車が活用する.しかし,同じ変電所区間にほかの列車が在線しない場合には,エネルギーが活用されないため,そのエネルギーを地上に設置した蓄電池に貯めて有効活用する取組を行なっている.
 フライホイール蓄電システムは,装置の内部にある大形の円盤であるフライホイールロータが回転することで,発電電動機を介して回生電力エネルギーを運動エネルギーとして貯蔵(充電)し,必要に応じてエネルギーを放出(放電)するシステムで,年間の省エネ効果は146MWhとなる.充放電の繰り返しによって性能が劣化せず,有害物質を含まない構造のため,環境に優しい特徴がある.本システムでは,さらにフライホイールロータの荷重を受ける軸受け部分に超電導技術(超電導磁気軸受)を採用することで,非接触としメンテナンスコストの削減,エネルギー損失の低減を図っている.なお,超電導フライホイール蓄電システムの鉄道への応用は世界で初めてとなる.

JR東日本,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの実証試験を開始

 機能としては,下り勾配を走行する列車から回生電力エネルギーを運動エネルギーとして貯蔵し,上り勾配を登坂走行する列車にエネルギーを放出する.なお,本システムのエネルギーにより,登坂走行をアシストするため,変電所から送電する電力を削減できる.
 実証実験では,2022(令和4)年6月から,穴山駅付近を走行する列車走行時の充放電を実施し,充放電特性やシステムの有効性の検証を行ない,将来の実装を目指す.

JR東日本,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの実証試験を開始
JR東日本,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの実証試験を開始

写真・画像はいずれもJR東日本提供